▲初の単独山小屋泊 - 丹沢山〜蛭ヶ岳(1,673m)

2010年08月30日 (月) 22:17



お盆で使えなかった有給休暇を1日使って、自身初の単独山小屋泊に行ってきた。
最初はまだ行ったことの無い"甲武信ヶ岳"にしようと思ったのだが、
交通手段の都合上、真南から登り続けるハードコースを選択せねばならず、
ここ最近の猛暑を考えるとちょっとしんどそうなのでパス。
登り慣れた丹沢の山荘に泊まることにした。
 
丹沢は塔ノ岳までならちょくちょく登っていて、今年は5月に友人と行っている
実は今回のコースは本来7月用に組んでいたものだったのだが、
諸般の事情で泊まりがNGとなってしまい、急遽日帰りの三ツ峠にシフトしていた。
折角組んだプランをそのままにしておくのも勿体無いので、
今週末に予定している八ヶ岳への足慣らしも兼ねて、久々の縦走を実行に移した。

一昨年は大倉尾根から北上して塔ノ岳〜丹沢山〜蛭ヶ岳と縦走して蛭ヶ岳山荘に泊まり、
更に北上して相模湖方面に抜けるという、今にして思えばなかなかの強行プランだった。
案の定、最初の大倉尾根で体力を消耗し、山荘に着く頃にはバテバテになっていた。

今回は1ヶ月前にダム見学に訪れた宮ヶ瀬湖を起点に、西南西の丹沢山を目指す。
何故宮ヶ瀬を起点にしたかというと、今まで一度も使ったことが無いコースだから。
丹沢山へは大抵、ヤビツ峠か大倉から塔ノ岳経由で行くのだが、
今回は直接登るルートを使ってみたかったのである。
また、丹沢は首都圏からのアクセスが良いこともあって人が多いので、
たまには人気の無い丹沢を歩いてみたいという思いもあって、わざわざ平日を選んだ。



宮ヶ瀬手前の三叉路バス停で降車して、歩いて5分の登山口に向かう。
さすがに平日ということもあって、自分以外に登山客の姿は見えない。
ここから本日の目的地である丹沢山頂までは、およそ5時間の道程。

登山口は目立つ看板も無く、注意していないと素通りしてしまいそうな場所にある。
登山者カードを記入し、備え付けの丹沢名物「ヤマビルファイター」を一噴き。
この日も相当暑かったけど、木が生い茂った山道なので、直射日光は避けられそうだ。



登り始めて1時間で、最初のポイントとなる高川山に到着。
去年、山梨の同名の山に登っているが、そちらとは打って変わって鬱蒼とした山頂。
しっかりとした展望台があって良かったけど、"展望"と謳いつつも展望はイマイチ。
日差しをモロに受けて暑さが半端じゃないので、昼食を済ませてさっさと退散した。

高川山手前までは左手に宮ヶ瀬湖が見えたりすることもあったのだが、
高川山以降は展望も、腰を下ろせるような場所もほとんど無いような道が続く。
道自体は割と綺麗なのだが、人が通っていないせいか、クモの巣だらけで避けるのが大変。
立ち止まるとハチが周囲を飛び回って威嚇してくるし、とにかく気の休まる場所が無い。
また、雲の中に居るようなガスと、真夏の日差しが降り注ぐ時間が交互にあり、
後半は汗と湿度で服が絞れるぐらいのびしょ濡れ状態。
1人で黙々と歩く中で、この状況は体力よりも精神的にジワジワ来るものがあった。

上のキノコは"白鬼茸"という毒キノコらしい。
無毒でも食べたいと思う見た目じゃないけど、何となく絵面が可愛かったので1枚。



15時ジャストに山頂に到着。
山頂もガスに覆われていて、残念ながら好展望という労いは望めない状態。
結局ここまで誰1人とも出会うことが無かったけど、
山頂には鹿による食害対策用のネットを設置している土建屋の人達が3〜4人居た。

とりあえず荷物を降ろしたいので、山荘(みやま山荘)に入って受付を済ませる。
みやま山荘は数年前に立て直され、管理も徹底されているので非常に綺麗。
到着時には管理人さん1人しか居らず、自分以外の宿泊客が居るのか尋ねると、
「他に男性2名の組と、土建屋の人が1人来る予定」とのことだった。
もしかすると自分1人というケースも有り得ると思っていたので、
他に3人居るなら予想よりは多かったと言えるかもしれない。

寝る場所は2階一番奥の角、2人用の個室を宛がってもらった。
一昨年の蛭ヶ岳去年の雲取山荘ではほぼ満員の状態での相部屋だったし、
こんなに自由気侭な山小屋泊は確実に初めての経験である。

夕飯までは3時間ぐらいあったので、適当に外をうろついたり、
布団で仮眠を取ったりして時間を潰す。
16時を過ぎて、聞いていた"男性2人組"と思しき宿泊客が到着。
2階で声を聞いていて年配の方だろうと想像していたが、やはり40代とのこと。

17時頃にはガスも晴れて、見渡す遠くの山に夕日が沈み始めた。
丹沢山は山頂の周囲に木々が立ち並んでいるため、夕日や朝日の眺めは抜群ではないものの、
山頂自体はなかなか広く、ちょっとブラついたりベンチでゆっくりしたりするのが気持ち良い。



18時から待ちに待った夕飯。土建屋の人も合流して、4人で食事。
土建屋の彼は、月曜日から今の職場に勤めたばかりの25歳とのこと。
比較的年齢が近い(?)せいか、何となく意気投合して、
会社名義で小屋にストックしている焼酎を振舞ってもらい、晩酌がスタート。
途中から夕食の片付けを終えた管理人さんも加わり、野球中継を観ながら酒を煽る。
最終的には全員で飲み会となり、消灯時間を2時間もオーバーして宴会が終了。
こんなノリは大勢が泊まっている時には出来ないし、今回一番の楽しいイベントだった。

消灯後はオイルランプが燈されて、何ともいい雰囲気。男しか居ないのが悔やまれる。
2,000m以下でも夜ともなるとそれなりに涼しく、毛布を1枚掛けて丁度いいぐらいの気温。



明け方4時に起床。大体いつもそうだけど、今回も自分が一番早かった。
2日目もそこそこロングコースなので、日が出て暑くなる前に距離を稼ぎたい。

2人組に出発前に起こしてくれと頼まれていたので、片方を起こして1階に下りる。
管理人さんには前の晩にお弁当を作ってもらうことになっていたのだが、
わざわざ早く起きて、出発直前に出来立てのものを用意してくれていた。
飲み会で寝る時間も遅くなっていたのに、本当にありがとうございます!

4時半に山荘を出発。
外はまだ暗く、ヘッドランプの明かりを頼りに夜道を歩く。
日の出は5時6分とのことで、少しずつ背後の空が茜色に染まり始める。
聴こえるのは虫の音と鳥の囀り、あとは自分の足音だけ。
仲間内でテンション上げながら歩く夜明けも楽しいけど、
それとは違った自然との一体感があって、これはこれで得難い貴重な体験。



アップダウンを幾度か繰り返し、蛭ヶ岳直前の要所"鬼ヶ岩"に到着。
急斜面の上に大きな岩が2つ並び、蛭ヶ岳側から見ると鬼の角に見えるのが由来らしい。
全体的に難所らしい難所が無い今回のコースの中では、唯一多少スリリングなポイント。
上の写真の1・2枚目が上から、3枚目が下から見上げたところなんだけど、
毎度ながら写真だとスケール感が伝わり難くて残念。

ちなみにここまでの1時間半の道程で、朝露により靴の中がグショグショ。
長靴の中に水が入るとガッポガッポ音がするけど、正にあの状態。



丹沢山から2時間で蛭ヶ岳に到着。
山荘の外にご主人が出ていたので話を聞くと、こちらも客は1人だけだったようだ。
この時季の平日、この辺りを日帰りで回るような人はほとんど居ないはずなので、
そうすると昨日登った丹沢山〜蛭ヶ岳周辺での登山客は延べ10人にも満たない計算になる。
そりゃ、そんな状況で裏口から登れば誰とも出くわさないはずだな…

山荘裏手の広場は真正面に富士山が鎮座する絶好のロケーションで、
空には数え切れないほどの無数のツバメが滑空していた。
今朝から虫が出ているので、それを狙って獲りに来ているらしい。

ベンチに座って靴を脱ぎ、靴下を絞って天日干しする。
短時間では成果も芳しくないだろうが、朝食の間に少しでも乾いてくれることに期待。
朝食はみやま山荘で作ってもらったお弁当。
開けてみると、ほぐした焼鮭をまぶした雑穀米と、生姜醤油で煮た"さやいんげん"。
おにぎりなんかもベタでいいけど、こういうところで気が利いているのは心憎い。



蛭ヶ岳から来た道をピストンで丹沢山まで戻り、塔ノ岳経由で鍋割山から下山する。
一昨年の1日目をほぼ逆走するコースで、今回は下りが多い分前回よりは楽だけど、
距離も長いし2日目の疲れもある。何より1人なので油断は禁物。

土曜の週末ともなると登山客も幾らか増え、蛭ヶ岳〜丹沢山間で5〜6人、
丹沢山以降はかなりの人と擦れ違った。
8時頃までは富士山も綺麗に見えていたのに、塔ノ岳手前頃にはすっぽり雲に覆われ、
塔ノ岳山頂ではガスでほとんど何も見えなくなってしまった。
自分は4時起きで尾根伝いを歩いていたから景色は十分堪能出来たけど、
今日になって登ってきた人にとっては、ちょっと微妙な天候かもしれない。



塔ノ岳山頂付近では雄鹿がフィーバー。
前回は雌鹿ばかりだったので、これでイーブン。
それにしても、ノーステップで殴れるような距離で膝を折って座り込んでるとか、
平和ボケにも程がある警戒感の無さである。敵が居ないって凄いことだなぁ。

塔ノ岳からは鍋割山に向かう予定だったけど、このガスでは展望も得られそうにないので、
大倉尾根で直接下山するプランに変更した。

大倉尾根は一昨年登るときに使ったけど、"バカ尾根"という俗称の通り、
本当に上り一辺倒のキツいルートだった。
中盤は変化にも乏しく、ドMの自分でも理由が無ければ遠慮したいコースの1つだ。
大倉までのバスの便が良いので、知らずに選択してしまう人も多いと思うが、
上りには断然、ヤビツ峠からのコースの方が面白いし楽だと思う。
死にそうな顔をして登って来る人達に軽快な挨拶を投げ付けると、
「声を出すのもツラいから話し掛けてくれるな」といった視線が返って来る。





【 登山データ 】

丹沢山 1,567m 〜 蛭ヶ岳 1,673m(神奈川県 丹沢山地)
コース:
[ 1日目 ] 本厚木駅→三叉路バス停→殿森ノ頭→高川山→本間ノ頭→太礼ノ頭→丹沢山
[ 2日目 ] 丹沢山→棚沢ノ頭→鬼ヶ岩→蛭ヶ岳→(丹沢山までピストン)→塔ノ岳→大倉バス停

宮ヶ瀬からのコースは、道自体は悪くないが、明確な理由が無ければ選び難い。
ほぼ一本道で迷う心配は無いものの、展望もイマイチで地味と言えば地味。
逆に静かなブナ山歩きを楽しみたければ、選択肢に入るかもしれない。

丹沢山荘は非常に綺麗で快適なので、女性にもオススメ出来る。
バイオトイレや乾燥室も完備されているし、少ないが個室もある。

GPSは出発直後の標高を取得出来ていなかった。
起動直後の捕捉する前から移動を開始してしまったのが原因かも。
また、2日目は途中で計測が中断されてしまっているが、下山は大倉バス停。


▲塔ノ岳(2010.05.10)
▲塔ノ岳(2008.10.23)
▲塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳(2008.11.04)

みやま山荘(丹沢山)
コメント
こんばんに〜。
先日退職したモノです(^^)
お世話になりました。

ブログ、やっと見てみたw
山、極めてるね〜♪
男一人で登るのも楽しそうだね、いいなぁ。
男に生まれたかったぜ!!
また、一緒に飲んだり、遊びに行ったりしましょ〜☆

  • by えびっこ
  • 2010/08/30 11:28 PM
おっ、こちらこそお世話になりました。
今日(31日)が最後の休日になるのかな?

男1人山は自分に酔えるからいいぞー!(笑)
TMCC写真部とセットにするなりして、一度は山にも招待したいんだけどね。

例の件もまだ聞いてないし、新しい職場が一段落したら、近況報告も兼ねて是非に!
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