▲秋の味覚ロングハイク - 高尾〜生藤山縦走(1,019m)

2010年11月08日 (月) 22:42



登山を始めてから 何度も登っている、初めて登る人御用達の山である陣馬山。
高尾山からの縦走ルートも有名で、最近は女性をターゲットにした雑誌でも
紹介されていたりするぐらいメジャーなのだが、実は一度も使ったことが無い。
良コースだろうと思いつつも、近年の高尾の混雑っぷりを考えると、なかなか足が向かないのだ。

今年は冬場の低山に登るつもりでいたので、それを踏まえて一度は歩かねばと考え直し、
紹介されているコースをそのまま歩くのではお膳立てされ過ぎている感があるので、
陣馬から更に先の生藤・三国山までのロングコースとして一気に踏破することにした。
高尾のケーブルカーは8時が始発なので、それより早ければ人も少ない。
そもそも高尾を避けて、少し先から合流するルートを選ぶことも出来るのだが、
個人的に何となくこのコースは高尾から始めることに意味があるような気がする。
ちなみに今回の山行では2つのテーマを設けていて、1つは「秋の味覚を堪能する」こと。
もう1つは「極力"まき道"を使わず、ルート上のピークは踏めるだけ踏む」ことである。



7時半過ぎに京王線の高尾山口駅に到着。天気は 鬼ヶ岳の時 に匹敵するぐらいの快晴。
少し歩いてケーブルカー高尾山駅まで行き、駅の左手から稲荷山コースの登山道に入る。
去年のナイトハイク でも通ったけど、豪雨の夜中と快晴の朝方とでは印象が全然違う。
このコースは山頂手前に急な木の階段がある以外、注意すべきポイントはあまり無い。
コース中の展望は少ないものの、適度に陽が差し込む穏やかなハイキングコースだ。



出発から1時間弱で高尾山の山頂に到着。展望台から富士山がよく見える。
少し前に見た時はまだ雪が無かったけど、この日はすっぽりと帽子を被っていた。
今回の高尾は出発地点に過ぎないので、早々に山頂を発って先を目指す。
ここから先は"奥高尾"となり、陣馬山の手前までは自分にとって未開の地である。



山頂から5分で裏手にある"もみじ台"、20分で一丁平。
この辺りは富士山のビューポイントが幾つもあるが、中でも一丁平からの展望は随一。
丹沢方面の大山、今年も登っている 丹沢山と蛭ヶ岳 もばっちり見ることが出来る。
道は引き続き整備が行き届いていて、傾斜も緩やかなので歩き易い。
木の階段が多いのだが、段差が小さく間隔も広いから苦にはならないだろう。



9時過ぎに城山(小仏城山)に到着。広々と明るい山頂で、高尾山も見える。
ここの茶屋で本日1つ目の秋の味覚、「なめこ汁」を注文。250円。
なめこがたっぷり入っていて、汁自体にかなりのトロみがある。
塩加減もしょっぱ過ぎず、汗で失われる塩分の補給に丁度良い。
いつもは出発前にしっかり朝食を摂るのだけど、この日はこの為に控えめにしていた。

城山から10分で小仏峠。
関東圏の渋滞情報を見聞きしたことがある人なら分かると思うが、
渋滞箇所としてでよく出て来る小仏トンネルは、この峠近くの下を通っている。
この時点でタイムスケジュールから30分強早く進んでいたので、
水場とエスケープルートの確認のために小仏バス停方面に下り、往復して30分強を消化。



10時半に景信山に到着。
こちらも複数の茶屋が営業しており、なかなかの賑わいを見せている。
山頂手前に少しばかり急坂があるが、距離は短く足場もしっかりしているし、
ここまで緩やかな道が続いていたので、バランス的には丁度良いアクセントだ。

ここではまず、手前の茶屋で「きのこラーメン」を注文。お新香付で500円。
基本はインスタントラーメンなのだが、きのこの出汁がしっかり出ており、
刻んだ柚子の香りが絶妙。柚子は陣馬方面の特産品の1つでもある。
近くの客が飲んでいたジュースか何かのコップにスズメバチが飛んできたらしく、
思わずフタをして閉じ込めてしまったとのことで、捕獲されたスズメバチを撮影。
大きさも然ることながら、この顎の凶悪さはさすが肉食の迫力といったところ。
こんなのに集団で襲われたら、そりゃ勝ち目無いだろうな…



続いて奥の茶屋で「山菜の天ぷら」を注文。300円。
麻の葉、カエデ、菊の花など、普段食べる機会が無いようなものを、その場で揚げて食べさせてくれる。
実は素材の味というのはそれほどせず、見た目ほど個性的な味ではないのだけど、
紅葉に染まった山の茶屋で揚げたての野草を食べるというシチュエーションは
かなりインパクトが強く、何に対してなのか分からないけど無性に感動した。



景信山からいくつかの峠を越えて陣馬山に向かう途中に、堂所山という山がある。
単純に陣馬山を目指すのであれば、まき道があるので堂所山に登る必要は無いのだが、
出来るだけピークを踏んで進むという今日のテーマのもと、堂所山にも立ち寄った。
山頂までの上りは結構な急坂で、山頂の展望は西側が僅かに開けている程度。
地味なピークではあるが、景信〜陣馬間では数少ない西向きのビューポイントなので、
体力的に余裕があれば登っておくと良いかもしれない。

12時ジャストに明王峠に到着。
茶屋があり、丁度良い休憩ポイントなので賑わっていたが、この日は営業していなかった。
休業しているわけではないようだが、営業は不定期らしいので当てにしづらい。
ここからは南西方面の展望が期待出来る。



明王峠から30分弱で陣馬山。見慣れているので、少しホッとする景色。
天気は相変わらず快晴だったけど、この頃には富士山は見えなくなっていた。
実は陣馬山から富士山を見ることが出来たのは、過去2回しか無い。

陣馬山はさすがに賑わっていて、1人でベンチをキープするのは若干気まずい状況。
奥の茶屋でノンアルコールビールを買い、端っこのテーブルで一気飲み。
いつもはこの山頂でのんびり過ごすのだが、今回はまだまだ先があるので気を引き締める。
お腹に余裕があれば「山菜そば」か「おでん」でも食べたかったけど、
今日は散々食べ続けてきたので、さすがにここでは控えることにした。


陣馬山から和田峠を経由して醍醐丸方面に向かう。
和田峠方面には一度も下りたことが無いので、ここからは再び初めてのルートとなる。
上ってくる人はそれなりに居るようだが、このルートで下りる人は少ないようだ。
和田峠は駐車スペースがあり、家族連れなどは車でここを起点にする選択肢もある。



和田峠は車やバイカー等そこそこの人が居たが、生藤山方面への登山道に入ると、
一気に人気が失せ、静かな山行となる。
木が生い茂って展望は所々にしか無いものの、空が抜けているので開放感は損なわれていない。
引き続き整備が行き届いた道で不安は無いが、細かいアップダウンが増え、
1つ1つの勾配が高尾〜陣馬山までのそれよりもキツめになっている。
とは言っても、あくまでここまでの道と比べての話で、特に急勾配があるわけではない。
ハイキングよりはトレッキング寄りになったかな、という感じなので心配は無いだろう。
ただし、高尾からのロングコースを歩いた後だとそれなりに歯応えがある。

和田峠から30分で醍醐丸。
醍醐丸は堂所山と同じく、まき道を使えば通る必要の無いし展望もイマイチだが、
山頂まで一直線の長い急坂があり、"登っている感"があるので悪くないピークだ。



醍醐丸から1時間で茅ノ丸。
これまた通る必要の無いピークだが、ここは今回の山行でほぼ唯一の1,000mオーバー地点。
和田峠以降でようやく南側のまともな展望を得られるポイントでもあるし、
体力に余裕があれば是非踏んでおきたいところだ。

茅ノ丸前後から岩石混じりの道が増え、アップダウンも大きくなるので足に疲労が溜まってくる。
一部、岩場をよじ登るようにしながら、十数分で生藤山に到着。
木々に覆われて景色は期待出来ないが、こじんまりとした広場にはベンチが設置され、
ちょっとのんびりするには丁度良い長閑な山頂である。



生藤山から10分と掛からずに三国山。
こちらは西側の展望が素晴らしく、テーブルもあるので大休止向きだ。
複数人で休憩するなら生藤山よりこちらの山頂の方が適しているように思うのだが、
単独なら個人的には生藤山の"プライベート的な安心感"も捨て難い。



三国山以降は長い下りを一気に下りる。
ごく一部の区間で急坂があるが、それ以外は緩やかで道幅の広い下りが続き、
状況によってはここで一気に時間を稼ぐことも可能だろう。
石楯尾神社を過ぎたところに桜並木があるので、花の季節にまた登ってみたい。

40分ほどで登山口に到着。
ここからバス停がある鎌沢入口まで、結構な長さの車道歩きが始まる。
疲労が溜まった膝や足首にはなかなか厳しいものがあるが、
山の斜面に造られた茶畑など、里山の風景を眺めながら歩くのは楽しい。

途中、桜と思しき花を付けた木を見たので、近くを歩いていたおばあさんに尋ねてみると、
「あれは寒桜だよ」とのこと。
実はこれまで寒桜をちゃんと見た記憶が無く、意外な邂逅に感動した。
ちなみに寒桜はこの時季だけでなく、ちゃんと春にも花を咲かせるのだそうだ。
春の桜のような圧倒的な迫力は無いけど、こうして静かに咲いているのも風情があっていい。

おばあさんと話が弾んでしまい、バスの時間を気にしつつ、30分近く話し込む。
案の定、バスの時間を5分ほどオーバーし、次のバスまで1時間の待ちぼうけ。
まぁ、こんなところで時間に追われて焦るのも無粋な気がするし、
住んでいる人からじゃないと聞くことの出来ない"よもやま話"もあったりして、
山行の締めに相応しい有意義な時間を過ごすことが出来たと思う。





【 登山データ 】

高尾山 599m 〜 小仏城山 670m 〜 景信山 727m 〜 堂所山 731m 〜 陣馬山 855m 〜 醍醐丸 867m 〜
茅ノ丸 1,019m 〜 生藤山 991m 〜 三国山 960m(東京都 神奈川県、関東山地 裏高尾 奥多摩山系)
コース:
高尾山口駅→高尾山→一丁平→城山→小仏峠→景信山→堂所山→底沢峠→明王峠→奈良子峠→陣馬山→
→和田峠→高岩山→醍醐峠→醍醐丸→連行峰→茅ノ丸→生藤山→三国山→佐野川峠→鎌沢入口バス停→藤野駅

参考タイム:9時間50分(山と高原地図参照)/ 実測タイム:5時間50分(休憩時間含まず)

・高尾山〜陣馬山
全体的によく整備され、危険と思われる箇所はほとんど無い。
木の階段が多く設置されているが、多くは疲労を伴わないタイプなので大丈夫だろう。
堂所山の高尾方面からの上りコースは網目のような木の根を階段代わりによじ登る。
ストックが必要なほどハードではないが、ストックとの相性は非常に良いコースなので、
距離に不安があるようなら十分選択肢に含められる。
景信山までは補給・トイレなどが細かく設置されているが、
明王峠が営業していない場合、景信山〜陣馬山までは間隔が開くので注意が必要。
エスケープルートが複数あるので、交通手段にマッチするものを確認しておくと安心。

・陣馬山以降
道は整備されているが、各ピーク手前に急坂が存在している。
和田峠以降はところどころに岩場の道があるので、陣馬山以前の道よりは注意が必要。
下山するまで茶屋・トイレなどは無いので、陣馬山でしっかり補給しておくこと。
こちらから登って陣馬山から下山、温泉に立ち寄って帰るというプランも魅力的。


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コメント
お〜!
以前ちょい話してたルートですな。

羨ましい。自分だけ1人で楽しんで(笑)
しかし、距離はあるもののやはり低山だけにそんなに時間は掛からないのね?
参考になります。今度自分も登って(歩いて)みようかな。
  • by T-136
  • 2010/11/09 10:28 PM
うしし、そうそう。話してたルートっす。
冒頭に書いたように、冬の間に歩くルートを開拓するという目的でもあるので、
俺もまた冬〜春の間には行こうと思ってるよ。一緒に行けそうなら是非。

陣馬まではとにかく整った道なので、我々ならガンガン短縮して歩けるよ。
ウォーキング系の山行には非常に適したコースですな。
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