▲日光初山行 - 太郎山(2,367m)2日目

2011年09月16日 (金) 00:54



さて、もうどっちがメインだか分からないぐらい充実してしまった日光企画なれど、
そもそもの予定では2日目がメイン。
しかも1人でそれなりにハードな山行を予定しているわけなので、
気を引き締めて仕切り直さねばならない。

朝は5時に起床。
個室を使わせてもらえたお蔭で、多少ザックの中を整理し直したり出来る。
前日までの予報では、奥日光は「曇り 時々 晴れ」の予報。
窓から顔を出すと、多少の雲はあるものの、綺麗な朝焼けが見えている。
顔を洗って歯を磨き、荷物をまとめて1階に降りる。
今日いっぱい"巣み家"のロッカーを貸して頂けることになっていたので、
昨日着ていた服やら、デジカメの充電器やらの不用品を置いていく。
今回はミラーレスのレンズとしてはそれなりに重たい望遠レンズも持っているし、
長丁場用に2L強の水を担いでいるため、ザックはそれなりにズッシリ来る。
とりあえず、何とか他の方々を起こさずに宿を発つことが出来たので一安心。



気持ちの良い快晴の下、まずはコンビニで朝食と昼食を購入。
この先にはコンビニが無いので、基本的にはここが最後の補給地点となる。
朝食はすぐにでも食べたかったけど、バスでいろは坂は結構シンドイので、
現地に到着してから食べることにする。
バス停で犬の散歩やら、自身の散歩やらをしている方々と少し話したりしつつ、
6時13分の湯元温泉行に乗っていざ出発。

日光駅から今回の目的地である「光徳入口」までは1時間、往復3,000円。
これは2日間有効の"湯元温泉フリーパス"と同じ金額なので、
残念ながら1日だけの利用では実質割引にならない。無念。
駅前では自分を含めて3人が乗車したが、市街地を出る頃には自分1人になり、
あとは降車するまでずっと1人だった。
まぁ、月曜の始発で奥日光に向かう人なんて、そうは居ないよな…



「光徳入口」バス停で下車。
乗っていたのが1人なので、当然ながら下車したのも自分1人。
前回の正月温泉企画でスノーシューをやったのが、1つ手前の「三本松」というバス停。
あの時は戦場ヶ原も雪に覆われていたけど、今回は青々しているので印象も違う。
三本松の茶屋は7時から営業しているので、一応ここでも補給は可能だが、
時間のロスが大きいので、極力日光駅のコンビニで済ませた方がいいだろう。

バス停の脇で朝食のおにぎりとウィダーinゼリーを食べ、まずは「光徳温泉」を目指す。
タイミングによってはそこまで行くバスもあるが、
本数が限られていて、残念ながら8時過ぎまで該当する便が無い。
「光徳入口」から「光徳温泉」までは徒歩でも30分と掛からないので、
歩きでもそれほど大した問題にはならないだろう。
ちなみに「光徳温泉」には"日光アストリアホテル"という宿泊施設があり、
太郎山へのアクセスとしてはここが一番近くて楽なのだが、
素泊まりや1人泊といった条件に適したプランが無いので見送った。



温泉と牧場を過ぎ、キャンプ場レストハウスの先から登山道がスタート。
これ以降は水場もトイレも一切存在しないので、いずれもここで済ませておきたい。
この道は純粋な登山道ではなく、切込湖・刈込湖〜湯ノ湖を巡るトレッキングコースの一部。
かなり整備されているとは言え、"トレッキング"と銘打たれている通り、
結構な傾斜や歩幅を大きく取られる丸太の階段が頻発するので、
日頃運動をしていない人にはそれなりに苦労する道になっている。
案内板の類がしっかり設置されているので、道迷いの心配は無い。



今回自分が歩くコースは、このトレッキングコースを途中から外れ、
山王帽子山登山口から山王帽子山、そして小太郎山を中継して太郎山に向かう。
トレッキングコースに入ってから1時間ほどで"山王見晴らし"という地点があり、
ここから登山口方面に分岐しているのだが、ここがなかなかの曲者だった。
大きな木の案内板が出ているので、分岐場所であることは一目瞭然なのに、
その登山口方面への道がヤブで覆われてほとんど見えないのである。
一方で湯ノ湖方面に繋がるトレッキングコースは非常に整備されているため、
登山口方面の道の荒れっぷりに不安が増大した。



案内の通りに進んでみたものの、途中から道がほぼ見えなくなり、
一旦案内板を確認しに引き返そうかと迷うほどだった。
マイナーなルートであることはある程度覚悟の上だったので、
何とかそのまま突き進むと、とりあえず道らしきものが復活。
やがて予定通り車道に出ることが出来たので、道は間違えていなかったらしい。
一安心すると共に、これから先の状況に若干不安を抱く。
車道の少し先に猿が2匹歩いていたが、カメラを向けると逃げてしまった。



車道を少し歩くと、山王帽子山登山口に到着。
登山口とは言っても、特に大きな看板や登山カードのボックスがあるわけではなく、
小さく「太郎山」と書かれた木切れが提げられている程度である。
等高線の間隔で想像はしていたが、ここから山頂まではひたすら上りの一辺倒。
地図に"きつい急坂"と書かれているだけあって、なかなかの傾斜がしばらく続く。
登山口までに多少キツめを想定して身体を慣らしておかないと、バテる可能性がある。

先のヤブで懸念していたような危ういポイントはほとんどなく、
傾斜がキツいというだけで、道自体はそこそこ綺麗で歩き易かった。
昨晩の雨によるコースコンディションの悪化も懸念していたのだが、
西側の斜面とは思えないほど濡れている様子が見られなかったので、
もしかすると奥日光の方ではそれほどの降水は無かったのかもしれない。
このコースは木の種類が豊富で、特にダケカンバ(白樺と同類)の樹林が美しく、
そして振り返れば、三岳や白根山などの雄大な展望を堪能出来る。
…が、それらを楽しめるかどうかは当人の余裕具合に左右される。



登山口から1時間で山王帽子山の山頂に到達。
登山口からの標高差は300m強。
山頂からは先の山々に加えて、これから向かう小太郎・太郎山、
そして男体山や遠くには尾瀬の燧ケ岳も見えるようになり、
眼下には中禅寺湖、戦場ヶ原の青々とした絨毯も敷き詰められている。
山王帽子山の山頂自体は狭く、やはり太郎山への通過点といった印象が強い。
次の小太郎山に向かうには、一度ガツンと下り、再びキツい上りが待っていることが見て取れた。
休憩ポイントとしては大したものは無いが、この先小太郎山山頂まで適した場所が無いので、
ここでしっかりとペースを整えて、万全の状態で出発したい。



山王帽子山からの下りもそこそこ傾斜はあり、結構グングンと下るので、
折角苦労して登った分を帳消しにされる感じが「むしろ我々の業界では(以下略)」である。
ただ、感覚的にはかなり降りている印象なのだが、時間で考えると案外大したことはなく、
数値的には150m下った程度だったりする。



コルまで下りたら、あとはまた延々上り続ける工程が始まる。ありがとうございます。
今度の上りは400m。傾斜は山王帽子山のそれよりも若干緩やかな気がする。
景色もなかなか素晴らしいので、周りを見渡す余力が残っているなら、
先程よりも楽しみながら登ることが出来るだろう。
途中に"ハガタテ薙分岐"という旧道への分岐があるが、今は廃道となっている。
そちらの道へは案内板も取り外されているし、普通に進めば気付かないようなものなので、
多少なりとも意識しておけば迷い込む心配はほとんど無い。



山王帽子山から2時間弱で小太郎山に到着。
地図なんかだと単なる稜線上の小ピークといった扱いになっているが、
何気に360度の大展望が堪能出来る良ポイント。
個人的にはこの後の太郎山から見るよりも、ここからの景色の方が好みである。



小太郎山から次の太郎山までは30分程度。
高低差も30mほどの僅かなものだが、ここからが"日光三嶮"と呼ばれるポイントを持つ山の真骨頂。
ゴツゴツとしたヤセ尾根ではあるが、滑落の危険があるような箇所はほとんど無いので、
高度感と雄大な景色を味わいながらの稜線歩きが愉しめる。
ちなみにここで今日初めて、自分以外の登山客と擦れ違った。



やっと辿り着いた太郎山の山頂。
振り返って見ても、やはり小太郎からの岩稜はなかなかのものだ。
大きな岩がゴツゴツと聳えた太郎山山頂の眺望もさすがの一言に尽きるが、
小太郎山よりも広い分、それぞれの方面を見回すには歩き回らねばならず、
一部は木々によって遮られているため、"一望"する感覚は小太郎山の方が大きい。

山頂には先客が4組。単独行は自分だけのようだった。
ルートを訊かれたので、山王帽子経由だと伝えると、「健脚だなぁ」と驚かれた。
往路と復路を変えたいが故の選択ではあったのだが、
やはり手っ取り早く"新薙(自分にとっての下山ルート)"で登る人が多いらしい。
太郎山から小太郎山を往復しても1時間程度なので、
新薙を往復する人でも、時間に余裕があれば小太郎まで行くことをオススメする。



景色の見事な岩場に荷物を降ろして、昼食の準備に取り掛かる。
夏場は冷たい麺類を食べることが多かったので、結構久々のカップ麺である。
食後のコーヒーを堪能していると、下の方から沸き立つように雲が発生して、
ものの数分で視界が白く覆われてしまった。
覆う早さに比例して抜けるのも早かったので、しばらくすると晴れ間が戻った。
雨や落雷が懸念されるような雲ではなさそうだし、山らしいイベントの1つとして楽しむ。
山頂の気温も20度を下回ることはなく、適度な風がとても心地良かった。



バスの時間も気になったので、食事の後は手早く身支度を整えて下山を開始。
食事用も含めて2L強の水を持って来ていたが、
いつもの自分のペースと比較すると消費が早く、下山開始時点で残りが700mL程度。
以降は下りるだけなので、そこまでハイペースで消費する心配は少ないが、
時間にして4時間の長丁場なので、少しキープしながらの下山を心掛ける。



山頂の少し下に"花畑"と呼ばれる火口の窪地がある。
昔は名前の通り花が咲いたりもしていたようだが、今は一面笹しか見ることが出来ない。
それでも幻想的な光景であることには変わりなく、この日は先の台風の影響なのか、
普段は見られない池が出現していた。うーん、感動…



花畑を過ぎると下山コースの本番。
ここからが"日光三嶮"と呼ばれる"新薙"で、まずは3筋のガレ場を横切る。
1つだけ若干スリッピーな場所があるので、風が強い時などは注意が必要だが、
それ以外は別段身の危険を感じるようなものではない。
むしろ大変なのはこれらを過ぎた後に待つ長い岩場の下りで、
ほとんどは補助的な意味合いながら、かなりの傾斜のロープ場が1時間も続く。
頑丈なザイルが吊るされいる箇所もあり、さすがにここは使った方が安全だろう。
長丁場を歩いた脚には結構負荷が大きく、歩幅が狭い人には猶更キツいポイントである。
山王帽子山を経由せずに済むので短期決戦で登れるし、
車なら林道歩きを大幅にカット出来るのでこのコースを選ぶ人が多いのは納得だが、
こちらもこちらでとても容易とは言い難く、
短距離走と持久走のどちらを選ぶかというような選択肢だ。
どちらも非常に楽しいコースではあるが、自分の身近で誘える人は少ないかな…



急な岩場が終わると、30分ほどの緩やかな樹林帯を経て"林道出合"に出る。
登山道はここで終了。
ここまでは車で入ることが出来るので、ここを起点に往復する人が多いようだ。
ちなみにバス利用の場合、ここからが案外長丁場。
"林道分岐"まで15分の砂利道の後は、ひたすら舗装路を1時間強歩く。
この間の傾斜はキツくないので、テクテク歩けば時間を稼ぐことも可能なのだが、
舗装路なのでクッションが利かず、酷使した脚には結構堪える。

16時10分に"三本松"バス停に帰着。
ここは戦場ヶ原散策の拠点となる場所なので、土産物屋や飲食店が充実している。
直前にスタート地点である"光徳入口"に戻る分岐もあるが、
特に理由が無ければ三本松に向かう方が良いだろう。(光徳入口には自販機すら無い)

予定よりも1本早い、16時19分のバスで日光駅に戻る。
16時以降は1時間間隔の運行になってしまうので、ここで1本稼げたのは結構大きい。
帰りは途中下車して「やしおの湯」に立ち寄ることも考えたのだが、
最速で乗り継ぐと22時前に帰宅出来ることが分かったので、
今回は前日も利用した駅前のホテルの内風呂で済ませることにした。

"巣み家"に立ち寄り、預かってもらっていた着替えを取り出してホテルに急行。
カラスの行水のように身体を洗い、何とか最速の電車に乗れる時間にホテルを出た。
再び"巣み家"に戻り、汚れ物をパッキングして帰り支度が完了。
実はこの日、夜にイベントがあるので参加しませんかとお誘い頂いていて、
内心かなり後ろ髪を引かれていたのだが、週末中に済ませておきたい案件があり、
断腸の思いでそのままの帰京となった。今回唯一の心残りである。


ともあれ、今回はゲストハウスという貴重な選択肢を得たこと、
新しい山域の開拓に成功したこともあり、とても有意義な週末を過ごすことが出来た。
日光方面に出張る際にはまた"巣み家"さんにお願いすることになるはずなので、
その際にはまた宜しくお願いします。


▲日光初山行 - 太郎山 1日目(2011.09.14)
毎年恒例正月温泉企画'09 - 日光〜奥日光(2009.01.19)
日光ゲストハウス 巣み家-sumica- / 三本松茶屋 / 日光ステーションホテルクラシック
 





【 登山データ 】

山王帽子山 2,077m 〜 小太郎山 2,328m 〜 太郎山 2,367m(日光火山群)

コース:
光徳入口→山王帽子山登山口→山王帽子山→小太郎山→太郎山→林道出合→林道分岐→三本松

・光徳温泉→山王帽子山→小太郎山
登山口直前の分岐まではトレッキングコースとなっているため、非常に整備されている。
笹の多い時季は分岐直後の道が不明瞭となるため注意が必要。
登山口以降は各山頂以外に休憩に適した場所が無く、ひたすら上り続けることになる。
ペース配分を慎重にしないとすぐにバテるので、その辺の管理能力はある程度要求される。
コース自体は比較的整っており、危険な個所は特に無い。
西側斜面の割に午前中でも日当たりは良好で、気持ち良い樹林歩きが楽しめる。
ストックを活用出来るが、小太郎以降はほとんど使えないので、
全体を通して考えると、携行するのは微妙な判断となる。

・小太郎山→太郎山
険しい岩稜歩きと展望が期待出来る好ポイント。
険しいといっても、それほど危険な箇所は無く、余裕を持って通過出来る。

・太郎山→新薙→林道出合
山頂直下に"花畑"があり、普段は中央を通ることが出来るが、
大雨の後などに池が出現していた場合は迂回することになる。
迂回路はすぐに見付かるので、特に問題となるようなことは無い。
"花畑"以降は新薙のガレ場と急な下りが続き、体力的にも精神的にも負荷が掛かる。
男体山・女峰山方面の展望が素晴らしいので、適度に休憩を挟みつつリフレッシュすると良い。

・林道出合→三本松
ほとんど勾配の無い砂利道と舗装路を延々と歩く。
宇都宮大学の演習林がある関係か、意外と車の交通量が多く、
運が良ければヒッチハイクが可能かもしれない。(女性なら)

コメント
こんばんは!
太郎山、良さそうな山ですね! 月曜日にもかかわらず、登山者が数組いるというのは、けっこう人気の山なんですね。
「日光」と聞くと、もちろん男体山とか日光白根山とか山があるのは分かっていつつも、どうしても観光という言葉が頭に浮かんで、なかなか登山の対象とイメージしにくい感覚が、私にはあります。
また、横浜に住んでいますが、出かけるのはだいたい西(山梨方面)、もしくはたまに北(群馬方面)で、どうも東の方を意識しないというのもあるんですよね。
でも太郎山の記事を読ませていただいて、栃木にもいい山はあるもんなぁー、とあらためて気付きました。ありがとうございます!
今後も楽しいブログを期待しています!
  • by ふくやま
  • 2011/09/17 12:36 AM
そうですね。
自分も都内西部在住ですが、日光方面は日帰りで登れる選択肢が乏しいので、
これまであまり積極的にアプローチを考える機会がありませんでした。
ただ、東武線の運賃がかなり安い事もあり、今回のように宿泊場所の都合を付けられるのであれば、
意外と無縁の場所と言うワケではないようです。
ちなみに今回の場合、交通費が電車とバスで往復7,000円、宿泊費が2,600円なので、トータル10,000円ちょい。
決して安くはないですが、山小屋に泊まる事を考えれば、そこまで大差無いですよね。

日光周辺の山々の山容は素晴らしく、とても開放的な印象でした。
それなりに体力を要求されますが、それに見合うだけの成果は得られると思いますので、
機会があればふくしまさんも是非!

これからも宜しくお願いします〜
こちこそ、よろしくお願いします。
次の記事も楽しみにしています!
  • by ふくやま
  • 2011/09/17 7:54 PM
日光登山お疲れさまでした!

素晴らしい眺めに私達も一緒に登ったような気分にさせてもらえました。
写真もきれい。

またいつでも遊びに来て下さい^^
  • by sumica
  • 2011/09/20 6:45 PM
ふくやまさん >>
この週末は尾瀬に行ってきました。
次は10月2週目辺りを予定していますので、ご期待下さい!(笑)

sumicaさん >>
ありがとうございます! 本当にお世話になりました。
ブログでお好み焼の様子を見て、羨ましく思ってましたよ…
切っ掛けが無くて行く機会に恵まれなかった日光ですが、
東武線の安さもあり、プランさえ立てば身近なエリアなんだと再確認出来ました。
またお邪魔しますね!
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