▲久々の連日山行 - 乾徳山(2,031m)

2011年10月12日 (水) 00:58



連休中日の日曜に乾徳山に登ろうと意気込んで予定を立て、
何だかんだとバタバタした結果、最終的に土曜に高柄山に登ることになった
それはそれでなかなか充実していて楽しかったのだが、
しばらく前から「乾徳山!」と鼻息を荒くして待ち望んでいたこともあり、
折角の3連休にこれ1つでは上がったテンションが静まらない。
月曜1日休めるんだし、多少無茶しても大丈夫だろうということで、
急遽にして当初の計画通り、日曜にウルトラC(死語)で乾徳山を目指すことにした。

スケジュールは前々から立てていた通りに実行するだけだし、
道具はほぼそのまま、服も別なものを着るなり、夜の内に洗うなりすればOK。
あとは自身のコンディションさえ整っていれば、大した準備は要らない状態である。
高柄山が思っていたよりもしっかりとした"登山"だったので、
足腰の疲労は無いでもないが、やはりテンションが上回って実行を決定。
昨日登った3人の内、1人はそもそも今日の乾徳山がNGという事情で再調整になったという経緯により、
今回はその彼を残して2人で山梨を目指すことになる。

先週の予報で「連休中は雨の心配が無い行楽日和」だと言っていたのに、
朝4時半起床の時点で、川崎方面の友人から「雨が降っている」との連絡が入った。
久我山は大丈夫だが、降水マップを確認すると、局地的にかなりの雨が降っているらしい。
広域的には降りそうにないことを確かめて、改めて決行を宣言。



乾徳山の登山口へは、中央本線の"塩山"駅からバスを利用する。
このバスの始発が8時10分なので、それに合わせたスケジューリングが必要。
久我山は5時前から電車が動いているが、上記を踏まえると5時半の電車に乗れば良い。
6時過ぎに八王子のホームで友人と合流し、中央本線で塩山に8時少し前に到着。
塩山は大菩薩からの帰りなどに利用しているため、それなりに馴染みのある駅。
心配された雨もやはり限定的なものだったらしく、こちらはスッキリとした快晴。

ここからのバスは秋川渓谷への利用客も乗せるので、そこそこ混雑が予想される。
足早にバス停を目指し、何とか座席を確保出来る順番で並ぶことが出来た。
8時10分の始発が5分遅れで出発し、30分で乾徳山登山口に到着。
満員のバスからは、大体半数程度の客が降りたようだ。



さすがにメジャーな山、メジャーな登山口に最寄りのバス停だけあり、
周辺には自販機、綺麗なトイレ、そして小さな食堂が幾つかある。
ここで準備を整え、まずは登山口目指して舗装路歩きをスタート。
この辺りはイワナやヤマメの養殖が盛んなようで、釣り堀や民宿が立ち並んでいる。
幾らか人の手が入っているものの、川の流れも非常に綺麗で気持ちがいい。



バス停から30分弱で、乾徳山登山口の目立つ看板が現れる。
ここで舗装路〜砂利道が終わって、いよいよ登山道がスタート。
乾徳山の登山道は道幅が広く、よく均されていて非常に歩き易い。
これだけでも、人気の山であることがよく分かる。さすが百名山。
勾配はそれなりにあり、前半は一定の傾斜を歩き続けることになるが、
しっかりつづら折りになっているコースなので、極端な疲労は無い。
歩こうと思えばどんどん歩けてしまうし、明確な休憩ポイントが少ないので、
自分でしっかりペース配分をしないと、気が付いたらバテている可能性もある。
逆にその辺の管理がしっかり出来るなら、非常に不安要素の少ない道だと言える。



登山口から1時間で"錦晶水"に到着。
名前通りの湧水が出ているので、冷たい水の補給が出来る。
しばらく手前に"銀晶水"もあるらしいのだが、残念ながら見付けられなかった。



この辺りから木々の間隔が広くなり、植生も変化して期待が高まる。
錦晶水から10分も歩くと一気に視界が広がる"国師ヶ原"に出て、
ぼっかりと拓けた"扇平"、そして岩肌剥き出しの乾徳山山頂が姿を見せる。
登山口からしばらくはそれらしい景色を見ずにひたすら登り続けて来ているだけに、
この展開にハートを掴まれることは間違いない。来て良かったと思える瞬間だ。



分かり易いご褒美を与えられ、目前に魅力的な餌をぶら下げられたので、
従順に20分ほどの直登を駆け上がって、一気に扇平。
下から見上げた瞬間に確信していたけど、想像以上に開放的なススキの草原と、
これまたキャッチーな"月見岩"に迎えられて感無量。
思わず、昼食用のおにぎりを取り出して頬張ってしまった。



登山口を過ぎてから、ここまでで1時間半。
感覚的にはもっと長く歩いているような気がするけど、意外と経っていない。
正直なところ、昨日からの足の疲れはそれなりに出て来ているが、
それ以上にテンションが上がってしまっているので、この分なら大丈夫そうだ。
コースタイムから計算すると、残すは1/3ちょっとぐらい。
ここからはいよいよ、あのゴツゴツとした岩場に取り付いていくことになる。



最初のしばらくは、木に覆われた岩場の道をよじ登っていく。
勾配はそこそこあるが、ここまでのジワジワと長い道より勢いで登れるため、
気分的にはむしろ楽になった気がする。
20分ほどガシガシ登って狭い岩と岩の間を抜けると、突如眼下に絶景が出現。
これはもう、思わず笑ってしまうぐらいの解放感。富士山も頭だけ見える。
足場は広くしっかりしているので、強風とかが無い限り転落の心配は無いけど、
高所恐怖症の人にはこの時点でもかなりシンドイかもしれない。
俺はもう、感覚が麻痺しちゃっててよく分からなかった。



そして、乾徳山はここからの岩壁登りこそが醍醐味。
雄大な景色をバックに、3つの岩場を鎖でよじ登っていく。
1つ目の岩は傾斜が緩めで足掛かりも良く、鎖を使わない方が楽に上れる。
鎖場は1人ずつ通るのが基本なので、人が多いとどうしても渋滞が発生してしまう。
こういう岩場に慣れていない人も多いようで、やはり渋滞していた。
2つ目の岩場は1つ目よりも急で、岩が丸く滑り易いので多少注意が必要。
鎖は2本あるが、右側の方が格段に登り易い。

【 動画(YouTube):山頂手前の岩場 1 2 3



最後の岩場は空気を読んで、ラスボスに相応しい難易度を誇る。
実は迂回路が用意されているので、1・2の岩場で不安を感じるようなら、
そちらを使う選択肢も検討した方が良いかもしれない。
とは言え、初挑戦&高齢の女性という条件でも何とかなるレベルなので、
折角ここまで来ていることだし、余力があるなら是非とも挑んでもらいたい。
自分も写真で見た時は少なからずビビったが、実際にその場に立ってしまえば、
あとはもう勢いで何とかなってしまうものだったりする。



高さとしては断トツだが、実は前の2つよりも滑り難い岩質なので、
足場さえしっかり確保すれば、滑り落ちる心配はほとんど無い。
男なら腕力と歩幅だけで強引によじ登ることも可能だ。
子供や女性の場合、中盤からの足の運びで少し慎重になる必要はあるが、
腕力だけで自重を支え続けなければならない箇所は無いので、
そこで変に下を覗いたりして竦んでしまわなければ大丈夫だろう。

【 動画(YouTube):山頂手前の岩場 4 5



3つ目の岩場を登り切れば、待ちに待った山頂。
狭い岩場なので、混雑すると腰を下ろす場所を探すのに苦労するが、
奥の岩と岩の隙間に丁度2人分のスペースを見付けたので、そこで荷物を下ろす。
俺の右側はもう少し先まで行くと切り立っていて、少し怖いけど景色は抜群に良い。
周囲の山々は僅かながら紅葉が始まっており、緑・黄色・橙の彩りが美しかった。
山頂が狭い分、どちらを向いても絶景が広がっていて贅沢この上ない。

また、この時季の2,000mは天候によってはかなり寒くなることも考えられる。
山頂での寒さ対策としてそれなりの防寒具を背負ってきていたのだが、
それらが一切必要ないぐらいの暖かく穏やかな秋晴れの一日だった。



広く平らな足場が無いので、岩肌の僅かな場所を見付けてクッカーを設置する。
昨日に引き続いてのカップ麺。昨日はシーフード、今日はノーマル。
山頂は混んでいたが、我々が収まった岩陰は他から見えない位置に遮られていたため、
秘境の山に登ったかのようにひっそりとしていて、正しく"穴場"だった。
ちょっと座り難いのが難点だけど…



このぐらいの山だと、我々の脚力では往復でコースタイムマイナス1時間ぐらいが目安。
今回は岩場の渋滞の影響で、昼食を終えた時点で13時より少し前(マイナス30分)。
ガイドブック等では下山時のバスの最終が16時台になっているのだが、
調べてみると今年から1便減って、15時55分が最終になったらしい。
コースタイム通りだと下山は16時半になり、それではバスには間に合わず、
タクシー(塩山駅まで4,000円弱)を利用する必要が出て来る。
山頂からの下りは下山路が別に用意されていて渋滞の心配が無いので、
この時点でマイナスであれば、それほど心配しなくても間に合いそうだ。

下山路は山頂を挟んで反対の、北側の斜面を下る。
こちらもなかなか豪快な岩場が続くものの、先のような鎖場は出て来ない。
普通に登頂出来た人であれば、特に問題無く楽しんで下山が出来る。
少し下ると黒金山との分岐点に出て、更にそこから1時間ほど、
岩交じりの斜面をガツガツ下ると"高原ヒュッテ"、そして"国師ヶ原"。



高原ヒュッテは無人の避難小屋で、内部は少し荒廃が進みつつあり、
現状ではとりあえず利用可能な状態に留まっている。
とは言え、ちょっと中で休憩…という雰囲気でもないので、泊りか、
文字通り、急な雨天時の避難小屋として使われる程度だろう。



国師ヶ原自体に特徴は無いが、往路と復路が"8の字"に交錯するポイント。
往路ではちょうどここから扇平と山頂が見えた感動の場所なのだが、
下山路として通るとかなり地味な印象で、実は振り返って山頂を見るまで、
往路で通った場所だと気付かなかった。…けど、鹿は居た。



国師ヶ原からは、往路で使った道をそのまま下るか、
隣の"道満山"を通る道満尾根ルートを使うかの二択となる。
道満尾根は「単調でつまらない」と酷評しているブログなんかもあったので、
どちらで下るか少し悩んでいたのだが、結局は歩いてみないと分からないと思い、
今回は道満尾根で下山することにした。

確かに比較的単調ではあるが、かなり速度を稼ぎ易いコースとなっており、
ここまでの往復に無かった"スピード感"を堪能出来る貴重なルートと言える。
ただ、このコースで速度を稼ぐにはそれなりに余力が必要になるため、
そういう使い方をしない場合、「単調でつまらない」という評価に繋がるかもしれない。
ちなみに道満山の山頂は展望皆無の狭いスペースなので、小休止に使うのが精々。



国師ヶ原から1時間で、徳和峠を経て、出発地点のバス停に帰着。
登山道から舗装路に出て金網の扉から外に出ると、山里らしい長閑な風景が広がる。
ちなみにこのバス停の名前は「乾徳山登山口」なのだが、
登山道の看板には「徳和バス停」や「徳和集落バス停」と書かれているばかりで、
正式名称が一度も出て来ないのが少し紛らわしい。
"徳和集落"にあるバス停なので、間違いではないけど、注意が必要。



また、ここには今回使っている塩山駅に向かうバスの停留所と、
山梨市駅に向かうバスの停留所が分かれて存在しており、一応こちらも注意。
それと、ここの停留所近くにあるDyDoの自販機は「あたたかい」を選でも、
「ぬるい」以下の残念な缶コーヒーを吐き出すので、こちらも注意。許さん。

予定通り15時55分のバスに乗り、塩山駅ですぐにやって来る中央本線に乗り換え。
1駅戻って"勝沼ぶどう郷駅"で下車。
駅前に丁度良いタイミングでタクシーが来ていたので、"ぶどうの丘"まで1メーター。
こういう場所では待ち時間というロスタイムが付き物だが、今回はそれがほとんど無い。
山梨山行恒例の"天空の湯"で汗を流し、陽が落ちた夜道を駅まで歩く。
惜しくもタッチの差で17時55分の高尾行を逃したので、
待合室で今度こそ「あたたかい」缶コーヒーを飲みつつ30分後の電車を待った。

泊まり以外で2日続けての山行は久々だったし、
2日目は初トライ+それなりの標高を持つ山なので幾らか不安要素もあったけど、
終わってみればこの上なく充実した2日間を過ごすことが出来た。
秋の気配も徐々に近付きつつあることだし、しっくり紅葉シーズンを楽しみたい。


▲体育の日に 向けて - 高柄山(2011.10.11)
▲久々の2,000m超 - 大菩薩嶺(2009.09.14)
ぶどうの丘 天空の湯
 





【 登山データ 】

乾徳山 2,031m(奥秩父山塊)

コース:
塩山駅→乾徳山登山口バス停→乾徳山登山口→国師ヶ原→扇平→乾徳山→(下山道)→
→高原ヒュッテ→国師ヶ原→道満尾根→道満山→徳和峠→乾徳山登山口バス停

・乾徳山登山口→国師ヶ原→扇平→乾徳山
駅前にコンビニは見当たらないが、登山口のバス停に自販機とトイレがある。
扇平を過ぎた辺りまでは幅の広い凹凸の少ない道が続くので、トレッキングポールは使い易い。
山頂手前に名物の鎖場があるが、迂回路が整備されているのでエスケープは可能。
迂回路は鎖場は無い替わりに、ハシゴが幾つかある。
山頂も含めてトイレは無い。水場は錦晶水(銀晶水も?)を利用出来る。

・乾徳山→(下山道)→国師ヶ原→道満山→乾徳山登山口バス停
出発直後からアスレチックコースが連続するが、往路の鎖場ほどの高度は無い。
上記の岩場以外はトレッキングポールを活用出来る。トイレ・水場は存在しない。
道満尾根はかなり歩き易いコースだが、慎重に通ることを要求される箇所が僅かにある。
看板の「徳和バス停」を目指せば「乾徳山登山口バス停」に辿り着ける。

コメント
先日はお疲れ様でした。
初の連続登山で若干不安があったけど勢いで行けるもんだね。
後何年強行で行けるのやら(笑)
乾徳山頂上の感動はぜひ「言い出しっぺ友人」にも共有してほしかったですがしょうがないです。
次回も登るときよろしくです。
  • by T136
  • 2011/10/12 10:25 PM
いやいや、お疲れ様でした。本当、勢いだけだったよね…
まぁ、あと10年ぐらいは勢いだけで行けるんじゃない?(笑)

また言い出しっぺも連れて登るとしよう。出来れば年内!
連日山行とはウルトラC!
でも、行きたい気分が盛り上がったときが、行き時ですね!

技のデパートの乾徳山には、私もかねてから行ってみたいと思いつつ、
まだその思いを果たしていません。
動画も山頂の風景も拝見しましたが、やはりいい山ですねー
こんな素晴らしいお天気の日に行けるとは羨ましいです!
  • by ふくやま
  • 2011/10/14 1:40 AM
天気が良い行楽シーズンの3連休とあっては、みすみす見過ごす手はありません。
乾徳山は確かに山頂手前が派手ですが、実際は写真や動画で見るほどでもないと思います。
(勿論、感じ方は個人差がありますが…)
あそこまで登って展望がイマイチじゃ報われないので、やはり好天の日に限りますね。

ふくやまさんも「なかなかいい山行」と書かれていましたし、
八ヶ岳の方も良い天気に恵まれたみたいで良かったです。
コメントする