▲新年早々地獄詣で - 鋸山(329m)

2012年01月06日 (金) 23:35

展望台からの風景

昨年末に"登り納め"と称して伊豆の低山に登ったばかりだが、
今度は登り始めということで、2日に本年初登山を敢行してきた。
去年はダイヤモンド富士を拝むために元日登山をしていたし、
9日にも秩父の山に登ったりしていたので、正月太りを避ける意味でも毎年恒例にしたい。
今回も冬場なので積雪を避けて、身近で夏場に行かなそうな山を検討。
去年のダイヤモンド富士を企画した友人も参加することになり、今回は千葉の鋸山に登る。

久里浜港へのバス久里浜港乗船券売所

鋸山は房総半島の内房側、南端に近い位置の海岸線にある。
房総は今まで上総亀山上総中野まで行ったのが最南なので、今回それを若干更新することに。
最寄駅はJR内房線の浜金谷で、東京からは乗換1回で来ることが出来るのだが、
実は三浦半島の久里浜から東京湾フェリーで来るという選択肢もある。
候補が幾つか挙がった中、「山に登るために船で現地に向かう」というチグハグ感が
正月っぽくて良いということで、今回は鋸山に決めた。

フェリーの座席今回は同行者が居ます

6時過ぎに品川駅で合流して、京急線で久里浜まで1本。
久里浜駅からバスで10分、東京湾フェリーの久里浜乗船場に到着。
久里浜〜金谷間は1時間置きに船が出ていて、今回は8:20の便に乗船する。
ちなみに自宅から現地までの交通費を計算すると、電車の場合は往復4,660円、
フェリーを使うと3,680円で済む上に、タイミングによっては電車よりも速い。
フェリーは欠航する可能性も無くはないが、その天候で観光に赴くことは考え難いので、
個人的にこのエリアに向かう場合はフェリーがいいのではないかと思う。

金谷港に到着金谷港乗船所の土産物コーナー

9時ジャストに金谷港に到着。
フェリーの船着場に結構広めの物産コーナーがあり、隣に「the Fish」というマーケットもあるが、
どちらかと言うと観光客相手の土産物屋的な雰囲気で、漁港の市場といった感じではなかった。

乗船場の外観港に沿ってしばらく歩く

とりあえず、近くのコンビニで朝食と昼食、飲み物を購入。
昼食はいつも通りのカップ麺と、今回はサンマの蒲焼き(缶詰)、
そして正月なので切り餅を買ってみたが、残念ながら網が売っていない。
いつもの我々であれば、最初からそのつもりで網を持参しているところなのだが、
この日はお互い前日にバタバタしていたため、+アルファの部分まで気が回らなかった。
道中で網として使えそうなものを探すという、僅かな望みに賭けてみることにした。

内房線の高架下他にも登山客がチラホラ手製のカワイイ道標

コンビニを出発して、まずしばらくは舗装路を歩く。
居住区を抜けて内房線の高架下を潜り、高速道路の下を潜り、
「ひかり藻発生地」なる洞穴を横目に見つつ、まずは登山道の入口へ。
ひかり藻のというのは何となく聞いたことがあったけど、
いつどのようにして見られるのか一切の情報を持ち合わせていなかった。
春になるとチャンスがあるようだが、残念ながら今は冬なので何も見えなかった。

見られるのは春になってから高速の下を潜るここから登山道

30分程歩くと登山道を示す看板が現れ、舗装路もここで終了。
すぐ隣を高速道路が通っているので、この時点ではまだかなり騒がしい。
登山道に入ると間もなく、苔生した切り通しが断続するようになる。
岩場だが、平坦な石が敷き詰められているため、足場はとても安定している。

切り通しのような道を行く岩畳の歩き易い道

登山口から20分ほどで、最初のビューポイントに到達。
鋸山自体が300mそこそこで、この地点も標高としては大したことは無いはずだが、
海岸線の山だけあって、早くも抜群の展望を得ることが出来る。
まだ雲が抜け切らず、遠くまで見渡せるわけではないのが少し残念。

石切場跡の遠景奥はどうなっているのか?

更に10分で石切場跡。
コンパクトな割に見所が多い山なので、間髪入れず次々ネタを放り込んでくる。
この石切場跡は事前に写真で見ていたのだけど、その場に立つとそのスケール感に圧倒される。
岩の大きさも勿論凄いが、どうやって削り出したのか分からないほどの掘削規模だ。
採石場と言うより、何かの遺跡に足を踏み入れたかのような静謐さを感じた。

展望台から南方向の展望

石切場跡を過ぎると多少勾配が急になり、一気に標高を稼いで展望台へ。
北西に東京湾、西に三浦半島、南西に相模灘、東には太平洋と、「展望台」の名に偽り無し。
遠くまで雲が抜けていれば、多分富士山も見えたことだろう。

定番のカップ麺新参入のサンマ蒲焼

以降は眺めと人の少なさを両立出来そうなポイントが無いので、ここで昼食にする。
まずは定番のカップラーメンで暖を取り、続いてサンマの蒲焼きを加熱。
いつもはおにぎりを組み合わせるところだが、今回は海の気分を出すために缶詰を選択した。
餅を焼く網に使えそうなものを探しながら登ってみたものの、
残念ながらそれに使えそうなものを入手出来なかったので、餅は来年の正月まで延期。
蒲焼きはどう考えても美味しいだろうと思って買ってみたが、期待に違わぬ鉄板の味だった。
冬の人が少ない山なら匂いを振りまいても気兼ねが無いので、缶詰シリーズは今後も挑戦したい。

上空はそれなりに風が強いらしく、40分の滞在の間に何度か青空を見ることが出来たし、
とてもまだ前半とは思えないほどの充実振り。

石切場跡の通路石が敷き詰められて歩き易い

展望台から下りて、再び石切場跡を通過。
先程は少し離れた位置から覗き込むだけだったけど、今度は切り立った岩の間を通る。
次の目的地は「地獄のぞき」と呼ばれる崖の上からの絶景ポイントなのだが、
道は下る一方でどんどん標高を下げていく。

真上まで迫り出した岩壁

分岐ごとにしっかり道標がされているので迷う心配は無いのだが、
しばらく進んで「地獄のぞき」と思しき崖を真上に見上げるようになっても、
それを示す記載が一切出て来ないので、このコースで合っているのか若干不安になる。
とは言え、ここまでの分岐で他にそれらしき選択肢は無かったはずなので、
覚悟を決めてひたすら下る。

地獄のぞきを見上げる

展望台から20分ほど歩くと、重機が放置された広場に出た。
周囲は石切場跡の岩壁に囲まれていて、奥にステージのような高台があり、
それを仰ぎ見るような形でベンチが設置されている。

安全第一?

それなりに朽ちていたので、今は使われていないものかと思っていたが、
帰宅して調べてみると、どうやら最近までオーケストラに使われていたらしい。
向かって左手の壁には「安全第一」と刻まれているが、何故か「全」の字の冠が無い。

コンサートホール放置された重機たち

ステージを後にして間もなく、急な石畳の階段が出現。
どうやらこれが「日本寺」に続いているらしい。
ここに来てようやく、地獄のぞきを示す手彫りの道標も登場した。
コースを間違えていなかったのは一安心だが、目指すその地点はまだ遥か先のように見える。

突如始まる急な階段遂に地獄のぞきの文字が!日本寺の北口管理所

13時過ぎに日本寺に到着。
日本寺への出入口は5ヶ所あり、表参道・東口・大仏口は車で、
西口は車とロープウェイでアクセスし易いように配置されている。
我々が到着した北口は言わば裏口のようなポジションであり、
登山客以外は使うことが無いので、ここから入る割合は低そうだ。
しかし、ロープウェイで上がれる西口から比較的近く、
見所の1つである「百尺観音」があるため、それなりの人で賑わっていた。

百尺観音地獄へと続く坂

目指す地獄のぞきは、ここから石段を一気に登る。
間近で見上げるとかなりの高さに見えるのだが、実際に登ってみると案外簡単。
北口からの標高差では100mぐらいなので、10分もあれば辿り着ける。

登ってみると、やはり高い

地獄のぞきの迫り出した岩場はあまり広くないので、人が少なくなるタイミングを計って先端に向かう。
足元が遮られてあまり見えず、しっかりとした柵が取り付けられているので、
下から見上げた時に想像していたよりは、意外と怖さを感じなかった。(まぁ十分怖いけど)

景色は抜群高所恐怖症にはキツい

切り立った岩場なので風が強く、帽子を飛ばされそうになりながら景色を堪能。
この頃にはすっかり快晴となり、苦労に見合った素晴らしい眺めで疲れも吹き飛ぶ。

日本最大の大仏

あとはメインである岩の大仏を見て下山となるわけだが、この大仏までが意外と遠く、
道がややこしいので地図と睨めっこしながらの道程となった。
大仏は山を切り崩す形で鎮座しており、近くで見るとかなり大きい。
像高31m、鎌倉の大仏が11mぐらいなので、それと比べると想像し易いだろうか。
ちなみに修復前は37mぐらいあったらしい。日本最大の大仏である。

ロープウェイ山頂駅年老いた猫が2匹居た

ここからは参道をダラダラ下るか、少し登ってロープウェイで下りるかの二択。
バスが入って来ていれば、それに乗って下りるという選択肢もありそうだったが、
ここまで上がってくるバスがあるのか、この場所の情報だけではよく分からなかった。
どちらにしてもまだしばらくは歩くことになりそうだし、どうせならロープウェイに乗ろうということで、
20分ほどの舗装路歩きを経て、ロープウェイの山頂駅に到着。

山頂駅屋上からの展望

駅の屋上は展望台になっていて、ここからの眺めも素晴らしい。
「鋸山山頂」と書かれた看板があるが、本当の山頂は境内を出た別の場所にあるはずなので、
ピークの1つではあるものの、これは観光客用に向けたサービスといった感じだろう。
(ちなみに本当の山頂は木に覆われて展望はいまひとつ)
ロープウェイは今までに乗ったものの中でも、高度感に関しては結構上位で、
海風に煽られて揺れることもあるため、ちょっとしたアトラクションのような感覚。

ロープゥエイの切符結構な人数が乗れる下から見てもなかなかの勾配

ロープウェイですんなり下山出来たので、その足で近くの立寄り湯に向かう。
この辺りには幾つか温泉があるようだが、今回は最寄りの「かぢや旅館」を利用。
増築を繰り返したと思われる継ぎ接ぎ感のある古びた宿だが、湯温が絶妙。

本日の温泉、かぢや旅館夕食第1弾

最後は「さすけ食堂」で何か食べて帰るつもりだったが、残念ながらシャッターが下りていた。
まだ三箇日なので、年末年始の休業中なのだろう。諦めて港の前の食堂「磯や」に向かう。
こちらは事前に情報を仕入れていなかったので、入るかどうか少し悩んだ。
フェリーが丁度出航するタイミングだったので、入らなければ待ち時間無しで久里浜に戻れる。
相談の結果、やはり地のものを食べて帰りたいし、土産物屋も見て回りたいということで、
この店に入ることに決めた。

2人揃って"磯ラーメン"を注文。そして瓶ビールで乾杯。
魚介出汁の利いた塩ベースで、トッピングはアサリ・ムール貝・タコ・海藻、ネギ。
風味に留まらず、エグ味さえ感じられるほどのインパクトがあり、
上品ではないが、「いかにもな感じ」を期待していた我々にはクリーンヒット。

三浦半島に陽が沈む

店を出ると、丁度陽が落ちる時間になっていた。
目の前の東京湾越し、三浦半島の向こうに真っ赤な太陽が沈んでいく。
少し右手には赤く照らされた富士山が綺麗に見えた。
これが今年の初富士というのも、なかなか雰囲気があっていい。

お土産はバームクーヘンソフトクリームも食べちゃう夕食第2弾

陽が落ち切ったのを見送ってから、土産物屋を物色して17:20発のフェリーに乗船。
往路は時間が早かったせいかあまり混んでいなかった気がするが、
復路は丁度帰り時間にぶつかっていたため、倍ぐらいの人が乗っているようだ。
それでも余裕を持って座ることが出来たので、仮眠を取りつつスムーズに久里浜に帰着。
あとは朝に来たコースをそのまま逆走して、渋谷で更に夕飯を追加して解散。(米が食べたかった)

本年の初富士

そんなわけで、本年最初の山行も無事に終了。
山行とは言っても、ほとんど観光に近いようなコースだったけど、
その分見所が多くてとても充実した1日だった。
「山に登るために船に乗る」というプロセスもなかなか新鮮で面白く、
付近には他にも小粒ながら面白そうな山が幾つかあるようなので、
またそれらに登る際には検討してみようと思っている。


▲年内最後の駆け込み山行 - 巣雲山(2011.12.31)
▲陽だまりの山初め - 官ノ倉山・笠山・堂平山(2011.01.09)
▲ダイヤモンド富士で初日の出 - 竜ヶ岳(2011.01.02)
ローカル線旅行 - 養老渓谷(2009.03.22)
冬の房総 - 久留里線(2005.02.11)
鋸山 日本寺 / 鋸山ロープウェー / 東京湾フェリー / the Fish






【 登山データ 】 鋸山 329m(房総丘陵)

コース:
金谷港→鋸山登山口→石切場跡→新展望台→石切場跡→日本寺北口→百尺観音→地獄のぞき→
→大仏→ロープウェイ山頂駅→ロープウェイ山麓駅→かぢや旅館→磯や→金谷港

・登山口〜新展望台
港を出てスグの場所にセブンイレブンがあるので、大体のものはここで調達可能。
以降は日本寺に着くまでトイレも補給も見込めないので、準備はここで済ませる。
登山口から新展望台までは石畳がメイン。
ハイキングコースとして親しまれているだけあり、整備状況は良好。
傾斜がキツい箇所はほとんど無く、あっても短いので体力の消耗はそれほど無い。
分岐点にはしっかりとした道標があるので、道迷いの心配も無い。

・新展望台〜日本寺
石切場跡の周辺も道は整備されていて歩き易い。
日本寺に向かう石段は全行程中で最も傾斜がキツいと思われるが、
長くはないので特に苦労せずに登ることが出来る。
日本寺に入ると観光客が普通に歩ける砂利道〜舗装路となる。



↑ 鋸山 新展望台(再生にはSilverlightプラグインが必要です)


↑ 鋸山 石切場跡(再生にはSilverlightプラグインが必要です)


↑ 鋸山 地獄のぞき(再生にはSilverlightプラグインが必要です)
コメント
いやいや、新年山はじめとしては十分なプランでしたよ。
天気にも恵まれたし、海渡ったり、網探したり、スマートフォンあるのに調べないでラーメン屋にブッ込むっていう”冒険心”ってのは久々にシビレましたね。楽しかったです。
まぁ翌日は、筋肉痛でしたが、総合的に良い山でした。

今年もよろしく。
皆が無事にアウトドアを楽しめますよーに。
  • by hikaru
  • 2012/01/07 12:53 PM
うっす、俺も期待していたより充実した内容で満足でした。
最後のあのノリは、久しく離れてしまっていたもののような気がするので、
少しああいう冒険もいいかもね。(失敗も含めて)

今年はもーちょい一緒に登れるといいですな〜
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