▲絵画の世界へ - 日光白根山(2,578m)

2012年09月22日 (土) 01:57



2日目は予定通り5時に起床。
ドミトリーに泊まっていた男性が我々より少し早く発って行ったが、他はまだ寝静まっている時間。
共用スペースは我々しか居ないので、多少ガサゴソやっても迷惑にならないのが有り難い。
まずは日光駅のロッカーに不要な荷物を預けて、駅前のコンビニでこの日の食料を調達。
空はスッキリと晴れ上がり、去年と同じような1日を期待させてくれる。

 




6時15分のバスに乗って、奥日光へ。
通常料金だと片道1,650円だから、往復すると3,300円。
駅で購入出来る"湯元温泉フリーパス"を買うと、2日間乗り放題で3,000円。
今回のスケジュールだと1日しか利用出来ないので活かし切れているとは言い難いけど、
単純に300円安くなるというだけでも購入しておく価値はある。

ちなみに朝6時の時点ではチケット売場が閉まっていて、
前日購入しか出来ないのかと思っていたら、どうやら隣の「みどりの窓口」で買えるらしい。
購入した時点で1日目がスタートしてしまうシステムなので、
翌日も使いたければ朝に買う方が有効利用出来るかもしれない。





7時半過ぎに湯元温泉に到着。引き続き、快晴。
Facebookの知人、現地の人、バスで同乗した人等から、
口々に「湯元から登るのは割とキツい」とのお言葉を頂き、正直かなりビビっていた。
バスを下りて、これから登る山を正面に見ると、確かにこれはかなりの傾斜である。
まぁ、ここまで来たら登る以外の選択肢は存在しないので、
登山カードを記入してさっさと登り始めることにする。



まずはスキー場のゲレンデを通って登山口に向かう。
途中の芝生がキャンプ場になっていて、山も湖も近いのでなかなか良い環境。
昨日の夜は滝のような大雨だったけど、この辺りはどうだったんだろうか。




リフトと並走する形で登山口が出現。
10分も登ると目に見えて傾斜が急になり、倒木の多いアスレチックな道になる。
等高線の間隔で傾斜のイメージは出来ていたし、ここに来るまでに散々脅かされていたせいか、
想像していたほどにはキツく感じなかった。
倒木や岩肌が丁度良い手摺になるため、脚だけじゃなく上半身も活用出来ることと、
障害物のせいで心肺に負荷が掛かるほど速度を上げられないことも影響している気がする。
コースタイムの大幅な短縮を狙わなければ、それなりに何とか登れるコースだと思う。




9時半に「外山」に到着。
特に眺めが良いわけでもないし、言ってしまえば非常に地味な山頂なのだが、
ここまでは全く先の山が見えないコースだったので、ようやく先が見えるようになる事と、
登山口以降の急坂がやっと一区切りになるという点で意味のあるポイントだと思う。



外山以降は極端な傾斜も無くなり、道も安定して歩き易いコースになる。
出発地点の標高が高いこともあり、木々の切れ間からは既に絶景の片鱗が顔を覗かせている。




10時過ぎに「前白根」に到着。
この前後からは尾根道になって視界が一気に開け、目指す「奥白根」も眼前に聳える。
空腹が堪えるので、景色の良い山頂でおにぎりブランチ。



前白根を少し進むと、奥白根との間に五色沼が見下ろせるようになる。
写真から綺麗な事は想像していたけど、やっぱりその場で見ると感動が違う。
テンションが上がってコースの確認を怠り、五色山方面に下り掛けてしまった。
危ない、危ない・・・




コースを修正して五色沼避難小屋方面に下る。
前白根の時点で、南西から雲が出始めていたのが気になっていたのだが、案の定、
小屋に着く頃には辺り一面をスッポリと覆い尽くし、遠景は一切望めない状態に。
1時間前までは快晴だったんだけどなぁ。



小屋を過ぎてすぐの道で、シカと遭遇。
このシカは逃げないどころか、何かエサを貰えると思って近付いてくるぐらい人馴れしている。
野生生物に餌を与えるのはご法度なので、何もあげるわけにはいかないのだが、
これだけ当然のように近寄って来るということは、与えてしまう人が少なからず居るのだろう。



小屋から20分程進むと、いよいよ奥白根に取り付いて最後の上りが始まる。
視界を覆う霧は相当に深く、ここ1〜2時間での回復は望めそうにない。
時折、風と共に細かい雨が吹き付けて来るようになり、各々雨具を着込んで山頂を目指す。





12時半に奥白根山頂に到着。引き続き、何も見えない白昼夢の世界。
雨は微妙に降ったり止んだりの状況だったけど、小雨程度なので何とか凌げそうだ。
風除けになりそうな岩場を探して、早速昼食の準備。
山頂の気温は16〜17℃だが、雨風の影響もあって結構薄ら寒い。
おにぎりを齧りつつお湯が沸くのを待ち、カップ麺とコーヒーで暖を取る。



下山は北側の斜面から"コの字"を描くように、五色沼の対岸に下りる予定だったのだが、
「阿弥ヶ池」と書かれた案内板の通りに進んでみても、目的の下山路が見付からない。
他にも同様に迷っている人が何組か居て、しばらくウロウロして時間をロスしてしまった。
この道は少し弧を描いて下りた岩場の先にあって、視界不良時だとかなり探しづらい。
今回は温泉まで含めた下山のスケジュールが結構タイトで、
予定していたルートではバス時間に間に合うか微妙なタイミングになってしまった。
どのルートでも景色が望めそうにないという判断もあり、来た道を戻るプランに変更した。

下山に関しては、まず避難小屋から前白根までの上りが結構キツかった。
特に難コースというわけではないのだが、そこそこの傾斜をガツガツ登れてしまうため、
この異様に湿度が高い状態でペースを上げると、結構シンドい。
先程は雄大な景色を堪能させてくれた前白根に戻っても、今は無人の荒野。



そしてやはり、何と言っても外山からの下りが最大の難所だった。
行きのバスで同乗したベテランの方から、「そのルートでは下りない方がいい」と言われていたけど、
雨で滑り易くなっているせいで難易度が数段跳ね上がっている。
登っている時は「案外キツくない」と思っていたけど、下ってみるといやはや、なかなかの急勾配。
掴める枝が沢山あるので、両手足をフル稼働させて何とか滑り降りる。
所々でどうしても掴むものがない場所もあったりして、そうなるともう祈りながらズルズル下りるしかない。



当初の予定よりも少し早い、16時過ぎに下山完了。
湯元は山上ほどガスっていなかったけど、それでも曇天で似たような天気。
とりあえず、あの状況で誰も怪我することなく無事に下山出来て良かった。
無事だったからこそ言えることだが、個人的に今回の下りは結構楽しかった。
どこを通れば滑らずにいけるか、どうしても滑りそうな箇所をどうやって切り抜けるか、
そういった創意工夫を求められるので、頭と体がバランス良く活性化される感じで面白い。




帰りのバスまで2時間弱あったので、これなら悠々温泉に浸かることが出来ると意気込んでいたら、
こちらも昨晩のホテル同様、連休中はほとんどすべての施設が日帰り入浴を断っていた。
案内所で配られているマップでは普通に入れるように書いてあるのに、
行ってみると「今日はやってません」と断られるばかり。
それを考慮して宿泊設備を持たない施設も調べてあったのだが、
そういった数少ない選択肢には既に他の日帰り客が殺到していて、
結局、まともに入れる施設が1つも見付けられなかった。

一応近くに足湯があったんだけど、何だか気分がシラケてしまい、
丁度数分後に1便早いバスが来ることもあって、そのままバスに乗ることにした。
バスの中で日光駅周辺で入れそうな施設といえば、「やしおの湯」と「日光温泉」の2つ。
しかし、どちらもバスが駅に着いてから帰りの電車までの猶予を考えると微妙に遠く、
結果的に奥日光まで行っておきながら、一切湯に浸かることなく帰るという悲惨な結果に。
昨日、たまたま良い温泉に連れて行ってもらえてたからまだ諦められたけど、
それが無かったら電車を1〜2本遅らせてでも温泉に向かってたかも。

19時過ぎの東武日光線に乗り、新栃木・栗橋・渋谷で乗り換えて久我山に23時着。
夕飯も食べずに帰ってきてしまったので、いつものラーメン屋で締めの大盛。




山行単体で振り返ると、天候や下山後のグダグダっぷりも含めてかなり消化不良。
ただ、想像よりは楽に登れていたし、白根山のポテンシャルも十分に感じることが出来た。
下山に予定していたコースを残してきているので、来年にでも再アタックしたい。

2日間の鬼怒川・日光観光として括るなら、かなり充実したイベントだった。
鬼怒川では快晴に恵まれたし、今回も巣み家での夜は非常に楽しかった。
今回は2,000m越え初挑戦のメンバーが居たので、もう少し楽な状況で登らせてあげたかったけど、
天候ばかりは100%が無い世界なので仕方が無い。
とりあえずは前白根からの絶景が見られただけでも良しとしよう。

今年はプライベートが慌ただしくて、8月までなかなか山に登れない日々が続き、
8月で堰を切ったかのような3週連続山行、そして今回の白根山。
これで前もっての予定は一通り消化したので、あとは単発かつ突発的に登るぐらいだろう。
年間トータルで月1ってのは、何とかキープ出来るといいなぁ。


十余年振りの鬼怒川 - 白根山前日(2012.09.21)
▲日光初山行 - 太郎山 1日目(2011.09.14) / 2日目(2011.09.16)
日光ゲストハウス 巣み家-Sumica-

 

 

 






【 登山データ 】

外山 2,204m〜前白根山 2,373m〜奥白根山 2,578m(栃木県・群馬県 日光火山群)


コース:湯元温泉→外山→天狗平→前白根山→五色沼避難小屋→奥白根山
    (復路は同じコースを戻る)

・湯元温泉〜外山
キャンプ場があるので自動販売機等で若干の調達は可能だが、
基本的には日光駅近くのコンビニで揃えておくのが無難。
登山口以降、外山山頂までは倒木の多い岩場の急斜面が続く。
手を使う場面が頻出するので、ストックは出さない方が安全。
スリッピーな状況だと難度が一変し、場所によってはぬかるんだ道の外側を歩く方が安全。
どちらかと言うと、下りよりは上りの方が適しているコース。

・外山〜天狗平〜前白根山
カンバやアカマツの穏やかな樹林歩きを経て尾根に出る。
道がしっかりしていて歩き易く、迷うようなポイントも無いので景色を楽しめる。
外山以降はストックが活用出来る。

・前白根山〜五色沼避難小屋〜奥白根山
五色沼に向かって、若干急な岩場を下る。
五色沼の少し手前から逸れるので、岸まで行くには分岐して更に下る必要がある。
避難小屋から少し登ると森林限界を超えて、岩と小石交じりのザクザクした道になる。
少し急ではあるが、比較的登り易い道なので負荷はそれほど大きくない。



↑ 前白根山 山頂(再生にはSilverlightプラグインが必要です)

 

 

 

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