▲2013年山初め - 寝姿山・高根山(343m)

2013年01月08日 (火) 22:27



去年に続き、今年も年末年始でライトトレック。
「ライトではあっても、それなりに得るものは得たい」という都合の良い欲を出すと、
やはり半島系の山々がフォーカスされる。
今回は一昨年末の巣雲山より更に南下して、伊豆下田の寝姿山へ。

 

当初は同じ伊豆の他の山に登る計画もあったんだけど、
この時季は日没が早いことと、首都圏からのアクセスには時間を要することから、
半分旅行の感覚で下田からロープウェイが使える寝姿山に登ることにした。
伊豆は今回同行するhikaru氏の第2の故郷とも言うべきエリアなのだが、
いつもは浜がメインで山に登った記憶が無いとのことで、その辺も踏まえて面白いチョイス。

年始からの快晴続きが落ち着いてしまい、三箇日時点での伊豆は曇天〜雨の予報。
更に寒冷前線が近付いてきており、関東圏は雪マークまで現れる有様。
低山なので、曇天でもそれなりに展望は得られるだろうと自分を励まして当日に臨む。
前日になって前線の北上がストップしたため、予報が晴れ〜曇りに回復。
午前中であればそれなりに晴れ間が拝めそうで一安心。



朝4時に起床して、まだ真っ暗な中を駅に向かう。
雪は降らないまでも、さすがに冷気の切れ味が鋭い。
荷物になるので持って来ていないが、自転車だと耳当てが欲しいところ。

5時半に小田急線下北沢駅のホームでhikaru氏と合流。
急行に乗って小田原で東海道線、熱海から伊豆急行に乗り換え。
伊豆急と言えば、大きな窓に向けたシートから海を眺める車両の印象が強いけど、
今回は比較的普通のボックス席+窓を背にした横向きシートという特徴の無い車両。
もしかすると、各駅停車の車両はこのスタイルなのかも。
2人とも寝不足気味だったので、ほとんど寝たまま下田に到着した。




下田は曇りがちながら、雲間からそれなりに青空が覗く空模様。
浜風が吹く駅前は結構寒く、2人とも身体に火が入っていない状態なので、
寒さに震えながら隣のロープウェイ駅に向かう。
ロープウェイは約15分間隔で運行されていて、我々は9:45の便に搭乗。
チケット売場の運賃表には往復1,000円という情報しか載っていなかったが、
窓口で確認すると片道600円のチケットも売られていた。
ちなみに往復券は伊豆急の下田駅なら900円で購入出来る。




ロープウェイに乗って数分で寝姿山の山頂駅に到着。
半島南端に程近いだけあり、北東から南西までの海岸線が一望出来る。
東京湾を挟んでの東西は異なるが、丁度去年の鋸山からの展望に似ている。
鋸山からは対岸の三浦半島や富士山が良く見えたし、
こちらからは大島・新島・神津島といった伊豆諸島の島々を見渡せる。
駅前では多少風があって肌寒かったけど、山頂はほとんど無風で日差しが暖かい。




寝姿山の山頂には愛染明王を祀った「愛染堂」なるものがあり、
これが縁結びのパワースポットとなっているようで、ハートを象った絵馬等が掛けられていた。
こういう縁起ものにあれこれ言っても仕方が無いのは分かっているのだが、
寺社仏閣にハートのモチーフというのは、いかにも取って付けたような座りの悪さを感じてしまう。
愛染明王は縁結びを司るとされているので、恋愛=ハートという流れは分かるんだけど、
結果としてこういう場所にハートがバラ撒かれている状況が、ひたすら野暮ったいのは残念。



愛染堂までの脇道には「迷路 →」と書かれた看板が立っていて、
背の高い植え込み(のようなもの)で作られた迷路が佇んでいる。
20年以上前に流行ったよね、巨大迷路。
スタート地点には「スタート」のサインがあるんだけど、ゴール地点には何も無く、
迷路をクリアした事に対する喜びが不完全燃焼で終わらされてしまって尻すぼみである。




愛染堂の裏手にハイカーのみ立ち入りを許された裏道があり、本日の山行はここがスタート。
とは言っても、本来この道は境内への関係者用運搬路として敷設されたもののようで、
しばらくは舗装路と砂利道の緩やかな私道をダラダラ歩く形となる。
ロープウェイには我々の他に10人弱の乗客が居たが、こちらに進むのは我々だけ。
道中、猪捕獲用の檻や「山芋を掘るな」と書かれた看板を発見。




寝姿山山頂を出発して20分、舗装路の脇に登山道の看板が登場。
このまま舗装路を歩いてもまだ進めるのだが、いい加減そろそろ土を踏みたくなっていたので、
迷わず登山道に入ることにする。
ここまでで1組の親子連れと擦れ違ったけど、他に登山客の姿は見当たらない。
登山道は最初に少し道が分かりづらい箇所があるものの、基本的には歩き易く整備された環境。
勾配という勾配がほとんど無く、ハイキングと言うよりはウォーキングに近い感覚で歩ける。




登山道から元の舗装路に合流して、間もなく登山道が再開。
昨年の巣雲山もそうだったけど、やはり伊豆半島は東京周辺の山々とは雰囲気が異なる。
違いは主に植生によるもので、御殿場方面以上にアオキが目に付いた。
背の高い常緑樹が多いものの、葉は陽の当たる上部にしか茂っておらず、視界は広い。
また、細かい範囲で分布が異なっているようで、少し歩くだけでも景色が変化して飽きが来ない。
猪が牙で付けたと思しき痕も発見。檻もあったし、やはりそれなりに居るんだろう。



暖かさのお陰で果実が多く残っているため、小鳥が多いのも印象的。
倒壊した小屋の近くで小休止していると、「コココココン」というキツツキらしき音も聞こえてくる。
帰って調べてみると、この辺りではコゲラという種のキツツキが生息している模様。
実は今までにキツツキの存在を近くに感じたことが無かったので、
絵本や図鑑等では存在を知っていても、今一つピンと来ない鳥だったのだが、
今回の件でようやく身近な鳥として実体を伴ったと言える。ちょっと感動。




緩やかな山道をひたすら歩き、最後にようやく急坂が現れる。
山頂にTV局のアンテナ等があるため、この急坂に沿って電柱が立っていて不思議な感じだが、
傾斜・高低差としてはなかなかのもので、高所恐怖症の人は振り返ると足が竦むかもしれない。
登り始めは東伊豆の海岸線が綺麗に見えているが、途中から両脇の木立に遮られてしまうので、
山頂を目指してひたすらよじ登っていくことになる。
ロープが設置されているし、足場は比較的安定しているので、乾燥していれば危険は少ない。
ここまでが平坦過ぎたので、最後ぐらいは一汗掻いて、達成感を味わうのがいいだろう。
ちなみに実は、下田の駅を出てからここまで水分を一滴も摂取せずに登頂してしまった。
本当は喉が渇く渇かないに拘らず、定期的に水分補給しなければならないのだが、
それさえも意識から抜けてしまうぐらい、キツいポイントが無かったのである。
(次回からはちゃんと補給しながら登ります・・・)




坂を登り終えた直後は、坂の途中から続く木立のため展望はイマイチ。
少し先にあるアンテナ施設を回り込んだところが山頂で、ここからの景色は素晴らしい。
東伊豆方面は白浜を綺麗に見下ろし、その先に伊豆諸島が浮かぶ好展望。
振り返れば西〜北西の山々が連なり、蓮台寺駅周辺の街並みも一望出来る。
これでアンテナ施設が無ければ言うことは無いが、それが気にならないぐらいに整っている。
施設で半分ぐらい占有されているため、あまり広い山頂とは言えないけど、
芝が生えそろっていて、腰を下ろす場所には不自由しないし、寝転がったりも出来る。
低山で道路が近い割に、静かなのも嬉しい。
伊豆に馴染み深いhikaru氏は感慨も一入だったようで、低山の魅力を再認識。




昼食はいつもの通り、カップ麺とおにぎりとコーヒー。
そして今回は期待の新人、謹製のベーコンをその場で炙って頂きます。
2作目の今回はマサラを塗して紅茶で燻してみたんだけど、これが自画自賛の旨さ。
今回のブロック肉は脂身が多めだったので、"炙り"との相性が抜群でした。
何より、絵面がアウトドアっぽくていいよね。




下りはそのまま北側の斜面を経由して、西の蓮台寺駅に向かう。
こちらのコースも寝姿山からの道とは印象が異なり、杉や竹林なんかもあって変化に富む。
苔が生えた岩場が多少滑り易いぐらいで、特に危なげな箇所も無く、スムーズに下山。




山を出る直前、正面と沢を挟んで向かいの斜面から2匹の柴犬が登場。
少し後から地元の人が登って来たので話を聞くと、元猟犬・元猟師の方。
今でもイノシシやシカを狩っているらしい。
柴は人馴れしていて可愛かったけど、やはりどこかしら精悍な顔立ちをしている。
最近はタイワンリスの被害も多いようで、報奨金の対象になっているのだとか。





下山するとすぐに民家が現れ、伊豆急の踏切を渡って10分も歩けば蓮台寺の駅に着く。
隣を流れる蓮台寺川の水は澄んでいて、川辺を歩くのが気持ち良い。
駅前を通って橋を渡り、5分も歩くと金谷旅館が見えてくる。
ここの「千人風呂」は日本最大の総檜風呂で、ゆったりと浸かるには最適。



入浴を終えて、その後のプランを検討。
当初の計画としては、下田まで歩いて寿司等を食べるという案もあったのだが、
何となくのスケジュールよりものんびり過ごしていたので、全体としては1時間押しの状況。
山頂での昼食からそれほど時間が経っていないため、それほど空腹ではないこともあり、
伊豆界隈で夕飯にせず、そのまま蓮台寺から東京に戻ることにする。
ここまでがあまりに充実していたので、今日のプランにおける夕食のウエイトが下がったのも一因。
お腹が空いたら東京で食べるということにして、伊豆急・東海道・山手線と乗り継いで渋谷へ。




横浜を過ぎる頃にはすっかり空腹を覚えたので、渋谷で「東京トンテキ」に向かう。
今まであまり気にしていなかったのだが、メニューを見ると"特盛"という品目があり、
この2人ではそれを避ける手立てが無いという不可抗力から、揃って特盛をオーダー。
豚肉500gというのはここ数年では胃に収めた記憶が無い。
2人とも無難に食べ切ったけど、本日の消費分を余裕で上回るカロリーを摂取してしまった・・・
まぁ、この場合食べても食べなくても後悔することが目に見えているので、
どうせなら不完全燃焼よりもやり切った上で後悔しようということで、我々らしい締めでした。




▲年内最後の駆け込み山行 - 巣雲山(2011.12.31)
▲新年早々地獄詣で - 鋸山(2012.01.06)
下田ロープウェイ / 千人風呂 金谷旅館 / 東京トンテキ
 





【 登山データ 】 寝姿山 200m〜高根山 343m

コース:下田駅→寝姿山山頂駅→愛染堂→白浜分岐→蓮台寺分岐→高根山→蓮台寺駅

・愛染堂〜高根山
下田駅前にコンビニや商店があるので、現地調達も可。
寝姿山山頂駅に売店と食堂が併設されていて、一応こちらも機能はしている。
前半は舗装路と砂利道の林道、中盤以降は一般的な登山道。
山頂直前までは傾斜と言えるような傾斜が無く、時間を稼ごうと思えば一気に稼げるが、
元より慌てて登るようなロングコースにはなり得ないので、のんびりハイクにオススメ。
最後に100mほど一気に直登することになるものの、余力はあるはずなので不安は少ない。

・高根山〜蓮台寺駅
寝姿山からのコースに比べれば高低差はあるが、緩やかな下り一辺倒で危険な箇所は無い。
苔むした岩場は幾らかスリッピーなので、注意するのはそのぐらいだろう。
展望は無い代わりにコース自体の変化はそこそこあるので、飽きずに下山出来る。

全体を通してストックとの相性は悪くないが、正直ストックが必要なコースとも思えない。
登山道への入口が若干見つけづらい可能性はあるものの、道迷いの心配はほとんど無く、
コース難度としては高尾山と同じか、むしろ楽に登れる部類。

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