▲真冬の遠足 - 鎌倉アルプス(159m)

2013年02月06日 (水) 00:50



昨年から丹沢に登り始めた社長に誘われて、鎌倉アルプスへ。
"〇〇アルプス"ってのは、もう"〇〇銀座"と同じぐらい溢れ返っている状態で、
どんな山でも幾つか繋がっていれば、もう"アルプス"と銘打って親しみ易くしてしまえという魂胆。
元々鎌倉が好きなのと、10年ぐらい前に近くを登って以来だったので、
この時季には丁度良いだろうということで、新調したザックのテストも兼ねて遠足登山。

 



ここしばらくは雨らしい雨も無く、冬らしい安定した天気が続いていたのに、
どいうわけかこの日だけピンポイントに前夜から雨が降り、微妙な状態に。
鎌倉での合流時間を10時から11時に遅らせても、ホームに降りた直後は横殴りの雨が降っていた。
11時になってようやく雨が上がり切った気配だったので、11時4分のバスに乗って、
10分ちょっとで終点の鎌倉宮に到着。
ここは撫でた箇所の悪い状態を身代わりしてくれる「身代わりさま」で有名。



鎌倉宮から歩いて10分、まずは瑞泉寺を目指す。
そう言えば、このコースは5〜6年前に瑞泉寺の梅を見るために歩いたなぁ。
今回は瑞泉寺の手前から右に折れて、すぐに民家の脇から入る登山道へ。
登山道と言うか、まぁハイキングコースの入口と言うのが正確なところ。



今回歩くのは「天園ハイキングコース」と呼ばれているもの。
住宅街に囲まれるような立地のため、色々な場所からアクセスが可能なのだが、
このコースを軸にして、始点と終点を調節するのが基本となるようだ。
岩と粘度の高い土、そして枯葉の積もった道で構成されている。
岩と言っても、他の山のようなゴツゴツしたものではなく、滑らかで穏やかなのが特徴。
足の引っ掛かりが少ないので、若干滑り易そうだが、危なげな箇所はほとんど無い。
雨後なのでスリッピーな状態を予想していたけど、一晩の雨ではそこまで影響しなかったようで、
思っていたよりも快適に歩くことが出来た。

その代わり、この日は20度超えという異様な暖かさと湿度のため、
ちょっと登っただけでも蒸し暑く感じ、長袖1枚でも平気なぐらいの状態。
幸い、そこまでアップダウンが激しいコースではないので、適当に体温調整しながら進む。



歩き始めてから10分弱で、1つ目のビューポイントに到着。
ここからは南西の住宅街を見下ろすことが出来る。
晴れていれば富士山が見えるようなのだが、残念ながらこの日は影も形も見えず。
天園コースから外れて南南東の明王院方面に進んでみたが、
特に何かあるわけでも無さそうなので、大人しく引き返して天園コースに復帰。




雨は上がったものの、空にはまだ厚い雲が覆い被さっていて薄暗い。
この辺りは岩が切り崩されて洞穴のようになっている箇所(堀割状遺構)が散見し、
時折、傾いだ木々が擦れ合って、「ギィ、ギィ」と鳴き声のような音を立てている。
そこまで暗い道でもないのだが、鎌倉という霊場然とした雰囲気もあり、
夕暮れ時に1人なんかでは歩きたくないなという印象。
まぁ、夕暮れに1人で歩きたい山道なんて、そもそも無いのだが。




瑞泉寺の裏辺りの崖に置かれている「貝吹地蔵」。
ここでようやく、本日1人目の擦れ違い。
この辺りは立派な並木道になっていて、視界も開けるので気持ちが良い。
途中、スギの木を登るリスを発見。
どうやらこれが、伊豆の元猟師さんに聞いた"タイワンリス"であるらしい。
姿を見ることが出来て嬉しいんだけど、話を聞いた後だけに複雑な心境・・・



貝吹地蔵の崖を登った直後の脇道を登ると、天台山の山頂がある。
あるにはあるが、山頂までの誘導も無ければ、山頂自体にも看板さえ無い。
申し訳程度の三角点と祠が置かれているだけで、冬でも展望は皆無。
自分はどちらかと言うと「ピークがあるなら登っておきたい」派なので登ってみたが、
気付かずに見逃してしまう人も多いような、地味な山頂である。




ハイキングコース入口から、寄り道も含めて1時間で「天園休憩所」に到着。
休憩所の裏手からは西側の街並みを見下ろすことが出来、
腰を下ろせる岩場もあるので、小休止ポイントとしてオススメだが、
小屋は岩場から少し下った位置にあるので、残念ながらセットで楽しむことが出来ない。
昼食は下山後の予定なので今回はスルー。おでんと猫が有名らしい。



天園休憩所から2〜3分で「峠の茶屋」。
この日は午前中までの雨のせいか、茶屋は休業中。
数日前にここで食事をしたというブログがあるので、冬季休業というわけではないようだ。
ほぼ隣接していると言っていいぐらいの距離なので、どちらを利用しても大差は無いが、
茶屋の方は少し高台になっているので、景色を楽しみつつ休憩したいなら、茶屋がいいかも。

雰囲気としては休憩所の方が"味がある"のだが、小屋の裏手が散乱しているのが少し気になるし、
茶屋は何か注文しないと利用出来ないので、個人的には食料は持参して、
休憩所裏手の岩場で景色を楽しみながら食べるのが一番なのではないかと思う。

茶屋のすぐ横に「横浜市内最高地点」のプレートが設置されていて、
完全に鎌倉だと思っていたので驚いたが、地図で確認してみると、
どうやらこの尾根が横浜市と鎌倉市の境界であるらしい。なるほど。





茶屋以降は砂利道だが車が走れる林道になり、5分と経たずにゴルフ場が出現。
ハイカーからすると残念至極のガッカリ物件だが、立地を考えれば仕方が無いか。
ゴルフ場の裏を通り過ぎると岩の急斜面が登場し、この上が大平山の山頂。
急斜面と言っても、このコースの中では比較的傾斜が大きいというだけで、
ここまで全く体力を消耗していない状態であれば、殊更に言うほどのことも無い。
下からの見た目がなかなかのインパクトなので、それなりに期待して登ってみるのだが、
ゴルフ場のレストハウスがあまりに大きいため、達成感や解放感は今ひとつ。
ちなみにこちらは鎌倉市の最高地点らしい。




大平山以降は再びハイキングコースとなり、若干アスレチック寄りの岩場もあって楽しい。
本コース唯一のロープも登場するが、まぁ使うまでもない程度の階段状の岩場である。
この辺りからは、北側の今泉台(住宅地)が見下ろせるようになり、いよいよ"裏山"といった雰囲気。
その先には職場がある横浜ベイエリアも見え、若干現実に引き戻される感覚を必死で振り払う。




大平山から30分程で建長寺裏手の「勝上献展望台」に到着。
建長寺から繋がっていて、ここから下山する場合には拝観料が必要になるが、
展望台までなら無料で利用出来る。ここからの眺めはなかなかのもの。
この頃にはすっかり天候が回復し、気温は20度を超えて蒸し暑いぐらいのコンディション。



ここからはそのまま建長寺に下りるか、更に歩いて明月院に下りるかという選択肢になる。
社長が「学生時代にこの辺を歩いて、円覚寺に下りた記憶がある」と言うので、
とりあえず円覚寺への分岐を探しつつ、明月院方面を目指すことに。
長い石段や笹薮が出て来たりして、ここまでの道とは異なる印象。

若干のアップダウンを経て、明月院近くの一般道に下山。
ここに至るまで、道標等に「円覚寺」の名は出て来ない。うーむ。
地図ではここから六国見山を経由すれば円覚寺の裏手に下りられそうな配置なのだが、
地図上にそれらしき登山道の表記も無ければ、案内板も見当たらない。



六国見山に取り付けそうな道を探して住宅街をウロつき、この辺に住まわれていると思しきご婦人に尋ねると、
何とか六国見山を通って円覚寺に辿り着けそうなルートを教えてもらうことが出来た。
ただ「とても面白いコースで私は好きなんだけど、ごにょごにょ・・・」とか、
「円覚寺と住宅街に下りる分岐があって、円覚寺の方は柵があって行き止まりなんだけど、ごにょごにょ・・・」
といった具合に、あからさまに含みのある言い方をされていたのが引っ掛かる。
どうもそのコースはオススメらしいのだが、あまり一般的に歩かれているものではないようで、
あまり「是非どうぞ」とも言えず、結果として上記のような物言いに終始している感じである。
多少の悪路は慣れっこだし、ここから引き返すのも精神的に難儀なので、六国見山を目指すことに。



ご婦人の情報はかなり正確で、言われた通りに登山道への入口を見付けることが出来たのだが、
知らなければ分かりっこないような民家の裏手で、当然ながら案内板等は一切無い。
国土地理院の地図にも載っていないような道で、
多分、登山道と言うより昔の生活道路のようなものなのではないかと推測される。
至る所に小さな蜘蛛の巣が道を塞いでいて、ここ数日で人の往来があったとは思えないが、
道自体はしっかり踏み固められているので、道迷いの心配は無さそうだ。




稚児墓の脇を通り、登山道に入ってから10分程で六国見山に到着。
我々はマイナーなルートから来てしまったが、他にちゃんとしたコースが整備された公園になっている。
"六国(相模、武蔵、安房、上総、下総、伊豆)を見渡せる山"と名付けられているだけあって、
広くて綺麗な山頂からは、この日一番の展望を満喫することが出来た。
"夫婦桜"という立派な桜の木もあり、隠れた桜の名所となっているようだ。




さて、問題はここからの下山コース。
我々が通ってきた道の他には「→大船高校」と書かれた道と、
「→南口広場」と書かれた道の2つが選択肢として残されているのだが、
大船高校は完全に逆方向なので、消去法的に南口広場に向かうしかない。
とりあえず南口広場を目指し、10分も掛からずに着いてしまったものの、
恐らく円覚寺とは支尾根を挟んだ隣に下りてしまっている。
田畑や住宅があって、遭難しているような深刻な状況ではないけど、
ここから北鎌倉の駅に向かうには、ちょっと大回りしないとならないので骨が折れそうだ。




先程道を尋ねたご婦人の情報では、どこかから円覚寺裏手に出られる道があるらしいので、
しばらくウロついて突破口を探していると、何とか情報にあった金網と案内板を発見。
情報にもあったが、この道では先程一旦下山した明月院の方に下りる道と、
円覚寺の裏に出る道に分岐していて、円覚寺の方は通行止めになっているようだ。
ご婦人の話によれば「行き止まりだけど、ごにょごにょ・・・」ということであり、
道を進んで間もなくその分岐が現れたので、ひとまず興味本位で円覚寺方面に進んでみる。
すると、あっけなく円覚寺の境内に辿り着いてしまった。目の前には国宝である「洪鐘」が・・・

どうやら先程のご婦人も同じことをした経験があり、個人的にはそれがオススメなんだけど、
一応やってはいけないことなので、大っぴらに勧めるわけにもいかず、
結果あのような歯切れの悪い説明になっていたのだと合点がいった。
もうやらないので、今回だけ許して下さい。



円覚寺と言えば北鎌倉駅のスグ裏であるからして、境内を通ってあっさりと下山。
何だかんだ時間を食って、気が付けば15時近く。
昼も食べていなかったので、まずは駅向こうの中華定食屋で空腹を満たし、
家へのお土産として、社長オススメの松花堂「あがり羊羹」を購入。
帰宅して早速食べてみたら、絶妙な甘さと柔らかさで美味しかった。




その後は電車で鎌倉に戻り、駅裏に停めていた社長の車で大船の温泉に向かう。
鎌倉周辺だとサクッと立ち寄れる入浴施設に乏しいのが玉に瑕。
朝方まで結構雨が降っていて、わざわざ雨の中を決行するか、
コースコンディションはどうなのか等の不安要素もあったけど、結果的に最後は快晴。
後半は不確かなコースをグダグダになり掛けながらも何とか駅に降りられたし、
半ば偶然だが六国見山からの素晴らしい景色も堪能出来た。
直前までの状況を考えれば、90点ぐらいは付けられそうな内容と言える。
2月はしばらくバタバタするので、次は3月中旬〜4月ぐらいだと思うが、
春山に向けて身体がダレないように気を引き締めて過ごしたい。


▲2013年山初め - 寝姿山・高根山(2013.01.08)
鎌倉宮 / 瑞泉寺 / 建長寺 / 円覚寺

 





【 登山データ 】

天台山 141m〜大平山 159m〜六国見山 147m


コース:鎌倉宮→瑞泉寺→天台山→大平山→六国見山→南口広場→円覚寺

・鎌倉宮〜天台山〜大平山
瑞泉寺手前のコース入口までは舗装された一般道。
コースに入ると滑らかな岩と土の道に変わるが、それほど滑り易いわけでもないので歩き易い。
堀割状遺構と呼ばれる洞穴が点在し、独特な雰囲気。
幾つか分岐点があるものの、案内板はしっかり整備されているので迷う心配は少ない。

・大平山〜六国見山
右手に今泉台を見下ろしつつ、小さな尾根を歩く。
建長寺の半僧坊を過ぎるまでコース自体に大きな変化は無いが、細かい変化は多々あって飽きさせない。
半僧坊以降は岩場が減って雰囲気が変わり、違う山を歩いている感覚になる。

・六国見山〜円覚寺
本来は明月院に下りるのが正解なのだが・・・
コースと呼ぶほどの距離が無いので、一瞬で南口広場の住宅街に下りることになる。
左手の畑を横切ってフェンス沿いに進むと、明月院(と円覚寺)に下りる小道が現れるので、
それを下ればどちらも間もなく目的地に辿り着ける。

全体的に足場は綺麗に踏み固められているため、非常に歩き易い。
少し歩けばどこかしらの住宅街や寺社仏閣を見下ろせるロケーションであり、
それぞれからアクセス出来るようになっているので、プランニングもエスケープも用意。
初心者のハイキングコースとしても使い易いが、夏場は避けた方が無難。

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