▲今年初の単独行 - 有間山・蕨山(1,213.5m)

2013年05月28日 (火) 23:44



土曜に計画していた山行を所用で延期して、別件として日曜に登ることになった。
元々考えていた山は富士山の展望が良いところもポイントだったのだが、
日曜の天気予報が曇りだったのでそれがあまり期待出来そうにないことと、
そこそこ遠いので帰宅が遅くなるため、翌日の影響も考えて別な山を探すことにする。

 

条件としては比較的近場であることと、曇っていてもある程度展望が担保される低山であること。
この2つは割と共通する内容なので、これだけ満たせれば良いのであれば、選定はさほど苦労しない。
ただ、元々の計画がそれなりにハードなプランにしたかったこともあり、
日曜にスライドしてもその部分はキープしたかったので、最終的には
「比較的近場で登り甲斐があり、その上である程度展望が担保される低山」という条件になる。
こうなると、少し悩ましい。

一昨年の年始に登った秩父の山 が、低山の割に好展望だったと記憶しているので、
まずはその近辺に絞って候補を探す。
秩父エリアはアクセスが良い低山が多いのだが、低山過ぎて食い足りない印象が強い。
前回は小さな山を幾つか縦走してロングコースの形にしたので、今回もそれが狙い目。

春先のグループ山行で候補を探す際、このエリアで蕨山というのを候補に挙げていたが、
自分一人で歩く場合、それだけだと若干短いと思われるので、
それに隣の有間山を繋げて半日強のプランに仕立てることにする。




朝5時半に久我山を出発し、中央線で西国分寺、国分寺線で新秋津と乗り継ぎ、
秋津まで歩いて西武池袋線で飯能へ。
最長の秋津〜飯能でも30分、他は全て15分も乗車時間が無い慌ただしい経路だが、
今回はここからのバスが長く、下車する名郷バス停まで1時間掛かる。
ただ、秦野〜ヤビツ峠のように山道をグネグネ蛇行するような道中ではなく、
席さえ確保出来てしまえばぐっすり寝て行けるので、思ったよりも労せずに辿り着くことが出来た。

朝の予報では「曇り時々晴れ」とのことだったが、現地到着の段階で青空が広がりつつあった。
冬場のようなスッキリと晴れ上がる感じではないけど、これなら周辺の山々ぐらいは見渡せそうだ。
名郷のバス停では自分の他に10人ぐらい下車し、自分以外は皆、蕨山に直接登るコースに向かった。



準備運動などを済ませて、8:20にバス停を出発。
渓流沿いのなだらかな道を歩くと、幾つものキャンプ場が現れる。
この日はこの時点でかなり蒸し暑く、キャンプ場に来ている子供達は既に水遊びを始めていた。
気温は20度ぐらいだけど、とにかく湿度があって、少しでも動くと途端に汗が噴き出る。
ちなみにバス停からずっと、有間山へのコースであることを示すようなものが全然無いので、
出発直後にちゃんと地図を見てコースを確認しておかないと不安に感じると思う。



車道歩きを30分程続けると、やがて正面に「JFEミネラル」と書かれた施設が見えてくる。
この舗装路の終着点がこの施設で、昔は「白岩鉱山」という名前で操業していたらしい。
今風の社名に変わってはいるものの、石灰石採掘場であることは変わっていない様子。
人の気配はあまり感じなかったが、機械が運転している音は聞こえてくるので、絶賛稼動中のようだ。
施設の入口まで来ると、この日初めて、ようやく有間山へのコース案内が登場。


 

案内板の指示に従い、施設脇の階段を上って施設の裏手を通る。
裏手というか、敷地を通らせてもらうような形になっているようで、
日常的にはあまりお目に掛かれない距離と角度から、工場的なものを見下ろすことが出来る。
専用軌道なんかもあったりして、これは男子的になかなかグッと来るものがある。






裏手の高台を抜けると、いよいよ登山道らしきものがスタート。
10分も経たない内に白岩の廃集落が姿を見せる。
かつては鉱山と共に炭焼きで生計を立てていた集落であるとのこと。
無人化したのは90年代ということで、以前に行った奥多摩の峰集落なんかと比べると、
まだまだ風化が進んでいない印象。
背後には白岩の荒々しい山体が聳え立っている。
陽当たりの良い開けた場所にあるためか、廃村にしては陰鬱な雰囲気が無いけど、
陽が傾いてから訪れるとまた違うと思うので、このコースは下山には使いたくないなぁ。



白岩集落から30分程上ると、第一チェックポイントである鳥首峠に到着。
風が通る気持ちの良い稜線で、北に向かえば武甲山、南に向かえば本間山へと続いている。
少しガツガツと高度を上げると、東側の木々の間から展望が現れる。



更に上ると鉄塔の下を潜る小ピーク。
ここからの展望はなかなか。
鉄塔自体は珍しくないが、真下を通れるというのはあまり馴染の無いパターンだ。



これでしばらくは好展望かと思いきや、再び木に覆われた細い尾根道に戻される。
何気にアップダウンがしっかりあって、中でも1つ、ちょっと手強い傾斜が中頃にある。
小砂利でザレているかなりの急坂で、手を掛けるような箇所も乏しいが、
石灰質なので、もしかするとちょっと湿っているぐらいの方がグリップするのだろうか?
真ん中ぐらいから細いロープを掴めるようになるけど、どうにも頼りない。
高度感もなかなかあり、個人的にここを下りるのはあまり歓迎出来ない。




案外シンドいアップダウンを何とか抜けると、ようやく広大な展望が迎えてくれる。
谷を挟んだ西側に仙元尾根が連なり、南に辿っていけば、年末に登った蕎麦粒山 も見える。
数は少ないけど、色鮮やかなツツジも目に眩しい。
ここからしばらくは絶景が続くのだが、道に沿ってずっと背の高い網が張られているため、
あと一歩物足りない感じが非常に惜しい。



稜線を伝って滝ノ入頭、ヤシンタイノ頭と渡っていく。
この区間のアップダウンもそれなりにあるが、景色が良いのであまり苦にはならない。
滝ノ入頭で本日初めて他の登山客と擦れ違い、以降は1時間に1〜2人ぐらい。
基本的に自分とは逆方向に向かう人ばかりなので、みんな武甲山に向かうのかもしれない。



鳥首峠から1時間、再び道の両脇が木立で遮られ始めた頃に、
有間山と書かれた立派な看板があるピークに到着。
有間山と書かれているが、厳密にはこの一帯の総称として有間山と呼んでいるだけで、
この場所は橋小屋ノ頭と呼ばれるピークの1つに過ぎない。
有間山の最高地点はここから南南西に30分程進んだタタラノ頭というピークである。
(ちなみに橋小屋ノ頭が1163m、タタラノ頭は1213.5m)



橋小屋ノ頭は木に覆われて展望が無く、特に休憩を要するタイミングでもなかったので、
足を止めずにそのままタタラノ頭に向かう。
それほどの急坂も無くて歩き易い道だが、細かいアップダウンは度々ある。




橋小屋ノ頭から20分でタタラノ頭。
冬場は広葉樹の歯が落ちて若干の展望が得られるようだが、今時季は既に皆無。
人が居らず静かなので、予定通りここで昼食タイムにする。
今回は暑さを見越して今年初めての夏仕様。
凍らせた予備の水を保冷材代わりにして、キンキンに冷えた冷やし中華を堪能。
一緒に買ったおにぎりは、適当に放り込んでしまっていたために見るも無残な姿に・・・

まだまだ先が長いので、展望の無い山頂を早々に出発。
まずは同じ時間を掛けて、橋小屋ノ頭までUターン。
高低差は50mほどなので、往復してもコースの印象は大差無し。




橋小屋ノ頭から蕨山に向けて再スタートして、20分ぐらいで逆川乗越。
「山と高原地図」にはそれらしいものが描かれていないが、林道と合流しており、
パラソルやチェアを持ち込んでプチバーベキューに興じるおじさんが居た。



幅の広い緩やかな登山道を進むとベンチが現れ、突き当りを右に上ると蕨山の展望台。
橋小屋ノ頭からは100mちょっと低い位置にあるので、ほとんど下る一方で、
最後にちょっと上り返せばあっけなく着いてしまう。
実は手前のベンチ右手にちょっとだけ登れる道があって、そこが蕨山の最高点らしいのだが、
石が積まれているだけで看板等は無く、展望も無いのでほとんど意味が無い。




蕨山山頂(展望台)は木に囲まれて広くはないが、
一応展望台と呼ばれているだけあって、所々で周辺の山々を見ることが出来る。
正直、あまり"展望の山"という感じではないけど、橋小屋ノ頭前後からは
ほとんど展望が無いコースだったので、この一帯としてはそこそこ解放感を得られるポイントと言えそうだ。
名郷バス停出発組がほとんど蕨山に向かったことからも想像していたが、
この日のコース上ではここが一番人の多い場所だった。

この時点で13時ジャスト。氷水でアイスコーヒーを作って小休止。
タイムスケジュール的にはそこそこ前倒し出来ているので余裕がある。
出発地点の名郷に下りるなら1時間半だが、今回は「 さわらびの湯 」に直接下りるため、
コースタイムとしては3時間とそこそこ距離がある。
出来ればバス時間を気にせずのんびりしたいので、15分休んでさっさと下山を開始。




蕨山からさわらびの湯(指導標では河又)へは、金毘羅尾根を南東にひたすら下る。
まずは藤棚山に向けて、20分一気に下る。
"急坂"と書くほどの箇所は無いけど、そこそこのペースでぐんぐん高度を下げる。
藤棚山も木に覆われて展望は無く、ベンチも無いので休止に向くわけでもない。
橋小屋ノ頭以降、蕨山の展望台以外は基本的にこんなピークばかり。



藤棚山以降は緩やかな道が多くなり、コースタイムの短縮が狙える。
大ヨケノ頭と呼ばれるピークの前後から舗装路との並走なり、
舗装路を見下ろすのと同時に、雑木林の間から 棒ノ嶺 を含む南側の山々が見えるようになる。




大ヨケノ頭から小ヨケノ頭の間で一度林道を跨ぐと、右手(南側)に名栗湖が見える。
更に20分程歩くと左手側が開けている草原を通るが、登山道からだとビューポイントまで少し遠い。
踏み跡があって近くまで寄れるようになっているので、北側の展望はここで見納めておくと良い。



林道から1時間弱で金毘羅山。
巻き道があり、頂上を通過する必要は無いが、分岐から僅かで山頂に立てるし、
体力に余裕があれば山頂を通っても時間的なロスはほとんど無い。
山頂自体は展望もベンチも無いお決まりのパターンなので、興味が無い人は巻いてもOK。
実は山頂を通過して下りる場合のコースが少々問題。
何気に結構な斜度と長さがあって、地味な山頂に見合わない労力を要求される。
場合によっては、来た道を戻った方が手っ取り早いかもしれない。

金毘羅山を過ぎた辺りから、山間にレゲエっぽい音楽が聴こえ始める。
名栗湖の方から流れて来ているようなのだが、カーオーディオ等ではない音量と音質だ。
ゆったりと陽気な曲が続くので、個人的には楽しみながら下山出来て嬉しかった。
多分、さわらびの湯近くで屋外イベントでもやっているのだろう。




金毘羅山を過ぎて間もなく、金毘羅神社奥ノ院に到着。
奥ノ院と言っても、今は跡地となっており、小さな社と鳥居が残されているだけである。
あとはひたすら下り続けて、40分ほどでさわらびの湯が見えてくる。




想像通り、さわらびの湯横の広場でイベントが催されていた。
結構盛況しているようで、これが終わると一気に温泉が混雑しそうな気配だ。
時間的には温泉から出るとイベントが終わってしまっている可能性もあるし、どっちを先にするか少し悩み、とりあえずハーブソーセージだけ買い食いして温泉に向かう。



温泉はバイカー、自転車組、登山組、イベント客が雪崩れ込み、今までに無い混雑ぶり。
出る頃には更に大勢が押し掛けて来ている状況だったので、ギリギリのタイミングで滑り込めたようだ。
施設内でビールを飲むか迷ったけど、イベントが終わっていない方に賭けて外に出る。
出店に駆け込むと、「あと1〜2杯で終わり」とのこと。勝(買)ったッ!!
山の疲れを温泉で抜いて、風呂上りに音楽を聴きながらの至福の1杯。
間違いなく、今日のハイライトはこの瞬間。同行者が居ないことが悔やまれる。

丁度良いタイミングでバスが来たので、ぐっすり仮眠して終点の飯能駅へ。
池袋→渋谷と乗り継げば乗換2回で済むけど、乗換5回で20分早く帰れるルートもある。
バスで寝たので身体が楽だったので、乗換5回のルートで18時半に久我山に帰着。
今の時季だと、この時間でも外は十分に明るかった。




現地で訊きそびれたので帰宅後に調べたら、今日のイベントは「やまそら祭」というものらしい。
名前が分からずに「さわらびの湯、イベント、5/26」辺りで検索を掛けても、全然ヒットしない。
何とか個人ブログから名前を見付け、名前で検索したらFacebookページが出て来た。
山行と非常に相性の良いイベントなので、次回は予め調べて行けるといいなぁ。

久々に単独行でそこそこの距離を歩けたので、個人的には結構満足。
今回のコースは序盤の一部を除いてあまり展望が豊富ではないので、
「楽して良い景色を堪能したい」って人にはあまり向かないかもしれないけど、
そこそこの変化やアップダウンがあって、山歩きそのものが好きなら楽しめると思う。
いずれ、名郷から武甲山に向かうルートも歩いてみたい。


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さわらびの湯
 





【 登山データ 】 有間山 1,213.5m〜蕨山 1,044m(奥武蔵山系)

コース:名郷バス停→白岩集落→鳥首峠→滝入ノ頭→ヤシンタイノ頭→橋小屋ノ頭→タタラノ頭→
橋小屋ノ頭→逆川乗越→蕨山→藤棚山→大ヨケノ頭→小ヨケノ頭→金毘羅山→
金毘羅神社奥ノ院→さわらびの湯バス停

・名郷バス停〜有間山
バス停周辺に蕨山方面への指導標はあるが、有間山へは何も無いので注意。
採掘場まで30分強の舗装路。かなり渓流沿いだが夏場は暑くなると思われる。
バス停・キャンプ場・採掘場に自販機がある。
キャンプ場にはトイレもあるが、基本的に一般開放はされていない。
鳥首峠〜滝ノ入頭間に急斜面があり、そこだけはストックを使っていられない。
滝ノ入頭前後〜橋小屋ノ頭手前までが、全コース上で一番のビューエリア。

・有間山〜蕨山
橋小屋ノ頭直後の下りは若干急坂気味だが、それ以降は道幅が広く、緩やかな道が続く。
あっと言う間に蕨山に着いてしまう。
尾根を挟んで雑木林とスギの植樹林が綺麗に分かれている場所を度々見掛ける。

・蕨山〜さわらびの湯
藤棚山までは多少ゴツゴツとしたアップダウンが続き、以降は再び緩やかな雑木林。
危険箇所も急坂も迷い易いポイントもほとんど無いので、速度は上げ易い。
金毘羅山前後から植樹林が中心となる。

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