▲紅葉&新エリア開拓 - 金峰山 1日目(2,599m)

2013年11月18日 (月) 23:19



相方が週末中不在となるため、その間を利用して自身初の2泊山行を計画。
前々から行きたいと思っていた甲武信ヶ岳とセットに出来る、金峰山に登ることにした。
2泊となると誘えるメンバーが居ないので、3年振りの単独山泊となる。

 

長丁場の場合、やはり普段以上に気になるのが天気。
ここ数日で急激に気温が下がり、秋から冬の気配が感じられる日が増えつつある。
予報では1日目が晴れ時々曇り、2日目が曇り一時雨、3日目が曇り時々晴れ。
確認するタイミングによって若干の動きはあるが、2日目の降水は確実なようだ。
泊まりの山行なら雨は付き物なので、多少降られるぐらいは仕方が無いと思いつつ、
一番条件が厳しい2日目に降られるというのが若干の懸念材料。
山頂付近は朝晩氷点下になるようだし、防寒具と雨具はいつも以上に準備が必要。

水を2.6L、食料は5食分、クッカー、エマージェンシーブランケット、防水デジカメ、
着替え、軽アイゼンなどなどを詰め込んで、最終的に40Lのザックがパンパンの状態。
今回は重くなってもフルパッケージで持って行こうと思っていたので、
若干不安を感じつつも初志貫徹で決行することにした。




1日目の朝の天候は、曇り時々晴れ。
出発した5時の時点では日の出まで1時間早いので、まだ暗く、そして寒い。
5時半に久我山を出て吉祥寺で中央線、八王子から中央本線に乗り換え、8時半に韮崎駅に到着。
ここからバスで みずがき山荘 に向かうのだが、停留所にそれらしき行先の表示が無い。
よく見ると、臨時便的な扱いの貼り紙があって、そこに「みずがき山荘」の文字があった。
初見では分かりづらく、交番で確認しているグループも居たぐらいなので、若干注意が必要。
車窓から見える渓谷沿いの道は、巨岩と紅葉に彩られていて飽きが来ない。



8:50のバスに乗り、終点のみずがき山荘に10:05の到着。
ここからは山荘の名前の通りに瑞牆山と、その先の金峰山に登ることが出来る。
バスを降りたのは10人強だったが、どうやら自分が乗ったのは増発便で、
1本前に出たバスもここに着いているはずなので、トータルではもう少し多いと思われる。
紅葉最中の百名山としては、想像より人が少ないかなという印象。
山荘付近の紅葉は大分終わり掛けていて、足元には落ち葉が敷かれていた。

瑞牆山と金峰山は山荘から1時間の富士見平まで同じルートを歩くことになるので、
ひとまず下車した全員が同じ方向に進むのだけど、金峰山を目指すのが何人なのかはまだ不明。
4人パーティーが2組、3人パーティーが1組、単独が自分ともう1人といった状況のようだ。



山荘からの道は広くて勾配が緩く、均されているので非常に歩き易い。
トレッキングと言うよりはハイキングに近い感覚でスタート出来るので快適なのだが、
実はこの時点で荷物の重さに一抹の不安が過っていた。
いつもなら腰でホールドすればほとんど重さを感じなくなるはずが、
今回はかなりの割合で直接腿の付け根に伸し掛かってくるような感覚がある。
沖縄で同じザックを背負った時には無かった感覚なので、恐らく重量によるものだろう。
当然覚悟はしていたけど、いざ登り始めると結構ズッシリと来て一歩一歩が堪えた。



林道を跨いでしばらく登ると、やがて木々の間から瑞牆山のダイナミックな山容が現れる。
奥多摩や丹沢では見られない"岩の塊"といった風貌である。



みずがき山荘から1時間弱で 富士見平小屋 に到着。
小屋自体にも泊まることが出来るし、前には広々としたテント場が設けられている。
この少し手前には水場もあるので、テント場としての使い勝手はなかなか良さそうだ。
先のことを考えると、ここで一息ついている場合ではないので、水だけ飲んですぐに出発。
瑞牆山と金峰山にはここから分岐していて、指導標によれば瑞牆山まで1時間50分、
金峰山まで3時間30分となっている。
自分が訪れたタイミングでは、瑞牆山に向かう人の方が若干多かったようだ。



富士見平以降の道も非常に安定していて歩き易い。
強いて言えばところどころに泥濘があるが、ほとんどは避けて通れる程度のもの。
展望はあまり得られないのだが、道が広いので視界が良く、気分の良いコースだ。
この辺りは白樺やミズナラが多く、紅葉とマッチしてとても美しい。
身体が温まっているのでそれほど寒さも感じないし、あとはひたすら重さとの戦い。




富士見平を発って40分、12時より少し手前で大日岩を見上げる大日小屋に到着。
無人小屋なので、小屋自体はスルーして広場で小休止。持参したおにぎりを頬張る。
大日岩をはじめ、鷹見岩や小川山といった、岩峰を間近に見ながら一息つく。
フリークライミングのメッカとなっているだけあって、荒々しいものから穏やかなものまで、
クライマーじゃなくとも見入ってしまうような岩肌がズラリと並ぶエリアだ。




大日小屋以降は若干の岩場を跨ぎつつの樹林歩きを再開。
ここまでは緩やかながらも上り一辺倒だったが、この先は若干の下りも混ざるようになる。
時折"霜柱"が見られるようになり、朝晩の冷え込みが容易に想像出来る。
今回唯一のロープ場があるけど、あくまで補助的に使う程度なので難しいことはない。





小川山と金峰山との分岐点。
小川山もかなり魅力的なんだけど、「山頂まで3時間」となるとさすがに厳しい。
ここに登るなら、前泊して早朝出発とかしないと間に合わないだろう。
この辺りから、コース上にもゴロゴロとした岩や石が混ざり始める。
荷物の重さにもようやく慣れて、何とかコースタイムよりは早めに進めているようだ。



▲ 別ウィンドウでパノラマ写真を表示します

ようやく辿り着いた岩だらけの稜線、砂払いノ頭。
ここまではあまり風の無い、穏やかな日だと思って登っていたが、
稜線に出た途端、強い南風が吹き荒んでいた。
ガスというか雲というか、そういったものが次々と眼前を吹き抜けてゆく。
この稜線は南側の斜面が切れ落ちた絶壁となっているため、
北側から登っている分には風除けの役目を果たしてくれる代わりに、
一度稜線に立てば凄まじい吹き上げを受ける形となっているようだった。





木々に覆われていた静かな山歩きから一転、強風が吹き荒れる岩稜を渡り歩く。
晴れているわけではないけど、標高が高い分、眼下の山々は広く見渡すことが出来る。
あまりの強風に時折煽られそうになるが、見た目よりは歩くスペースが確保されているので、
1つのミスで滑落という危険は少ないのが有り難い。
若干頼りない木ハシゴが架けられている岩場もあるが、特に問題は無いだろう。



砂払いノ頭から30分で金峰山山頂と金峰山小屋への分岐に到着。
山頂は雲に覆われて風が轟々と音を立てているし、とても展望どころではなさそうだ。
山頂から下りてきた人達に尋ねてみても、一様に「どうにもならん」と口を揃える状況。
実はここまで抜きつ抜かれつで時折談笑しながら一緒に登っていた軽装の3人組が居て、
彼等は富士見平でキャンプなので山頂から折り返すつもりで登ってきたらしいのだが、
山頂は諦めてここで引き返すとのことだった。




3人と少し話してから別れを告げて、自分はひとまず金峰山小屋に向かうことにする。
分岐と山頂と小屋は三角状の位置関係にあり、小屋からも直接山頂にアクセス出来る。
小屋までは傾斜の少ないなだらかな巻き道を歩くだけなので、分岐から15分も掛からない。





14時20分、金峰山小屋 に到着。天辺に石が積まれた巨岩が小屋の目印。
宿泊所の他に炊事場とトイレがそれぞれ独立して建っている。
20年ぐらい前に立て直されたそうだが、人気の小屋だけあってとても綺麗。
人懐っこいラブラドールレトリバーのゆずひこ君が静かに迎えてくれるので癒される。
(写真は撮らないでと貼り紙があったので、会いたい人は現地へ!)




受付を済ませて2階の就寝スペースに向かうと、先客は1人だけだった。
先客は仮眠中だったので手早く荷物を下ろし、防寒着とカメラだけ持って1階へ。
小屋ではauの電波が通じているので、天気予報を確認すると、
昨日よりも悪化して曇り後雨の予報に変わっていた。午後からの降水確率は80%。
小屋の方からも「明日は天気悪いよ」と情報を貰い、明日の計画をどうするかは後で再考。




身軽になったので、心機一転して山頂を目指す。
指導標には「山頂まで20分」と書かれている。
見上げる山頂はそれなりに遠く、本当に20分?と思ったりもするが、
ほとんど一直線に登る道なので、概ねその通りの時間で山頂に辿り着いた。






山頂はやはり暴風と呼ぶような激しい状況で、ダウンを着込んでいても相当寒い。
岩によじ登って南側を見下ろすと、眼下の木々に樹氷が出来ていた。
見渡しても積雪は一切無いので、風だけでここまで冷えたのだろう。
分岐で会った人達は「何も見えない」と言っていたが、
このタイミングでは雪を纏った富士山、南北アルプスまでがはっきりと見える。
1時間前までは展望を諦めるしかなかった状況だけに、思わぬご褒美に感動した。


▲ 別ウィンドウでパノラマ写真を表示します

西側には五丈岩という、不自然なぐらい整った巨岩が鎮座している。
下にある鳥居とのサイズ差を見れば、どれぐらい大きいかが分かるだろうか。
実は登ることも出来るのだけど、ご神体(ご本尊?)のようなので俺は登らないでおく。


小屋に戻り、17時からの夕食を待つ。
宿泊客も30人近くに増えて、1階も2階も大分賑やかになりつつある。
比較的高齢のご夫婦組、若い4〜6人ぐらいのパーティーといった人達が多く、
単独は自分の他に2人ぐらいのようだ。




17時になったので、待ちに待った夕食。
チキンソテー、葉物のサラダ、パスタサラダ、野菜スープ、白飯、そしてメロン。
ここまで完全な洋食というのも、なかなか珍しい。何とワインまで付く。
食事中、食後にも何組かが到着し、予約無しのパーティーも居たようだ。
15時までに到着することが推奨されているところを17〜18時という状態なので、
さすがに小屋の人からも「遅過ぎる」と釘を刺されていた。外はもう真っ暗だしね・・・

食後にシメイ(ベルギービール)をワイングラス1杯500円でお分けしますとアナウンスがあったが、
そういうイベントがあることを知らずに缶ビール等を買ってしまっていた人も多く、
若干の割高感もあってお客さんの反応は様々。
先に特定のグループ内で別メニューとシメイが振る舞われていたことから、
一般客にはお裾分けという感じなんだろうなと推測。
明日どうするかという重要な判断が残っていたため、自分は飲まずにお膳を下げる。




あとは夕食で隣席だったご夫婦からおつまみを頂いて談笑したり、
甲武信ヶ岳までのルートを歩いた経験がある方に明日の予定について相談したり、
それなりに楽しみながら情報収集に勤しんだ。

雨の予報は覆りそうにないので、何時ぐらいから降り始めるのかという点と、
むしろ治まるどころか強まるばかりの風の方が問題と言えば問題。
もし明日も強風のままだとしたら、とても稜線を歩き続けることは出来そうにない。
9時間強の長丁場に加えて、エスケープルートが少な過ぎることも不安材料だ。

諸々の要素を鑑みた結果、明日の予定を変更してそのまま下山することにした。
幸いにしてauの電波が繋がるため、甲武信小屋に連絡してキャンセルを伝える。
ここまで来ての断念は名残惜しいけど、ギャンブルをしに来たわけではないので、
現状考えられる選択肢として、これ以外に正解は無いと思われる。

そうと決まればあとは歯を磨いて、明日に向けての荷造りを終えれば1日が終了。
元々は5時前に出発する予定だったけど、下山するだけならそこまでの早発ちも必要無いし、
5時にアラーム(バイブのみ)をセットして布団に潜り込む。
小屋は20時に消灯だが、1階では従業員グループが宴会を続けているようだ。

近くに鼾が激しい人は居ないようなので、マスクだけ装着して就寝。
2日目 に続きます。


▲紅葉の新エリア開拓 - 金峰山 2日目(2013.11.17)
みずがき山荘 / 富士見平小屋 / 金峰山小屋
 





【 登山データ 】

金峰山 2,599m(奥秩父山塊)


コース:みずがき山荘→富士見平→新大日小屋→砂払いノ頭→金峰山小屋→金峰山山頂

・みずがき山荘〜富士見平〜新大日小屋
道幅が広く、落葉シーズンは視界も適度に開けていて気持ち良い。
広葉樹・針葉樹のバランスが良いので、どのシーズンでも楽しめる。
コースとしては大きな変化が無いが、細かい変化に富んでいるので飽きずに歩けるだろう。

・新大日小屋〜砂払いノ頭
風景としてはダイナミックな岩場が間近になるが、コース自体はまだまだ樹林帯が続く。
木の根の張り出しが多いので、地面が濡れている場合には滑り易いので注意。
砂払いのノ頭直前で若干傾斜がキツくなるが、それほどの斜度ではなく、短い区間なので負荷は少ない。

・砂払いノ頭〜金峰山小屋〜金峰山山頂
樹林帯から一転しての岩稜歩き。
ハシゴとロープの複合場が1ヶ所だけあるが、特に危険ではないので落ち着いて通過すれば問題無い。
南側の斜面に切れ落ちている部分が多いので、北風が強い場合は注意したい。
金峰山山頂と小屋との分岐を過ぎると、再び樹林帯となるが、砂払いノ頭直前のような傾斜ではなく、
ほとんどアップダウンの無い緩やかな道になっている。

・金峰山小屋
トイレと炊事場は別棟。トイレは紙が備え付けられていないので、要持参。
冬場はストーブが焚かれるが、それでも食事前は寒いので、室内で暖かく出来る準備を。
就寝スペースは割と広々与えられるので快適。

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