▲一番好きな低山ルート - 毛無山・十二ヶ岳・鬼ヶ岳(1,738m)

2014年05月24日 (土) 23:50



関東圏の低山で個人的に一番好きなのが、毛無山〜十二ヶ岳〜鬼ヶ岳というルートで、
元マタギという経歴のタクシー運転手さんに勧められて、4年前に登ったら感動した
東京からだとアクセスがそこそこ手間で、コースタイムもそこそこ長いので、
誰にでも気軽にオススメ出来るというわけでは無いのだが、それに見合う楽しさがある。
前回は夏の終わりだったので、今回は梅雨目前のこの時季に登ってみることにした。
 

河口湖駅から毛無山登山口まで出ている レトロバス の始発が9時10分なので、
基本的にはそれに合わせてタイムスケジュールを組む必要がある。
久我山からは6時2分の井の頭線に乗り、吉祥寺・立川・大月と中央(本)線を乗り継ぐ。
大月からは富士急行に乗り換えるのだが、未だにIC化されておらず、券売機で渋滞する。



8時34分に河口湖駅に到着。
ここから乗るレトロバスは河口湖周遊と西湖・青木ヶ原周遊の2路線あり、
西湖方面は若干マイナーなため、前回はそれほど混むことも無かったので楽に座れたが、
富士山が世界遺産登録された影響か、今回は比較的早い段階でバス停に列が出来上がっていた。
レトロバスは乗車定員が少ないので、座席を確保するなら早めに並んでおく必要がある。




河口湖駅から20分強の毛無山登山口バス停で下車。
ここで降りたのは、自分の他に5名ぐらい。
それほど多いわけでもないけど、前回は他に1人しか居なかったので、これでも多いと言える。

文化洞トンネルの左手にある登山口から入り、トンネルの上を跨ぐようにして右手の斜面を登る。
毛無山の登山道は道幅が広く均されていて歩き易いが、最初から勾配がキツめ。
ペース配分に気を付けないと、序盤でバテる恐れがあるので注意したい。



先の方で元気な声が聞こえているなと思っていたら、中学生の遠足登山が行われていた。
100人近い規模で登っているらしく、追い抜いても追い抜いても中学生だらけ・・・(笑)
元気で、みんなしっかり挨拶する良い子達ばかりだったけど、
やはりグループを抜こうとするとペースを上げる必要があり、それが延々続くので非常にシンドイ。
自分の年齢の半分にも満たない子達の前で情けない姿を晒したくないという意地もあり、
本来のペース以上に頑張ってしまって息が切れ切れだった。





最初の1時間弱は見晴らしの無い急勾配が続くが、それを過ぎれば一気に開けたカヤトになり、
更に5分も登れば、ツツジが満開の毛無山山頂に到着する。富士山方面の展望が素晴らしい。
中学生グループからはかなり距離を離したため、2〜3人しか人が居らず、まだ静か。
今日の暑さで若干モヤッとした展望になってしまっているのは惜しいが、
それでもほとんど雲1つ無いと言っていいぐらいの快晴に恵まれた。








まだまだ先が長いので、騒がしくなる前に毛無山を出発する。
ここからは毛無山を下ると言うより、そのままダイレクトに十二ヶ岳を登り始める感じで、
山頂で出会った人曰く「関東の2,000以下という条件下では2番目に険しいコース」らしい。
1番目がどこなのか訊き忘れたのが悔やまれるが、確かにそうかもしれない。







十二ヶ岳はその名の通り12個のピークが特徴の一風変わった山で、
毛無山方面から歩くと一ヶ岳・二ヶ岳・・・と順にカウントしていくことが出来る。
細かくアップダウンを繰り返すので上り一辺倒にならず、
岩場・ロープ場が目まぐるしく変化する稜線の道は、飽きが来ない抜群のアスレチックコースだ。
コース上は常にツツジが目を楽しませてくれるし、所々で富士山も姿を見せる。






十ヶ岳を過ぎる頃から岩場のアスレチック度が上がり、十一ヶ岳の下りからがこの山の真骨頂。
十一ヶ岳と十二ヶ岳の間には小さなキレットがあって、ここには吊り橋が設けられている。
まずはこの吊り橋に向けて、長めのロープ場を下りなくてはならない。
高低差はそれなりにあるものの、不安定な箇所は無いので、慎重に下りていけば不安は少ない。
この時、向かいの十二ヶ岳の斜面に断崖と言いたくなるような岩肌が見えており、
初めて見る際はそのインパクトに息を飲むことになるだろう。





金属製の吊り橋。
それほど高い位置に架かっているわけではないが、パッと見では結構怖い。
実際はかなり頑丈なようで、若干揺れはするものの、特に危険は無いと思われる。



吊り橋を渡ったら、いよいよ先程見えていた断崖に取り付く。
実際のところ、取り付いてしまえば見えるのは眼前の岩だけになってしまうので、
十一ヶ岳側から見えていたような高度感というのは、案外気にならなかったりする。
足元が切れ落ちているような箇所はほとんど無く、1ミスで谷底に落下という不安は少ない。
怖いもの見たさで振り返って覗き込んだりしない限り、高所恐怖症気味の自分でも大丈夫だ。
ちなみに各所にロープか鎖が設けられているが、個人的には使わない方が安定する。
(勿論、手足のリーチや腕力にも依る)

それなりの難所で、命の危険も当然あるので気を抜くことは許されないが、
この山の魅力を象徴するポイントであることも確か。
焦らず少しずつ、全身でよじ登る楽しさを感じてみてほしい。





断崖を上って少し進むと、木立に囲まれた広めの空間に出る。
展望の点では今ひとつな場所だが、少しの先の山頂があまり広くないため、
団体客などで混雑する際に活用される。
この日も既に20人ぐらいが大休止しているようだった。

毛無山から1時間強で十二ヶ岳山頂に到着。ここからの展望も見事。
それなりに人は居たが、座るスペースは確保出来たので昼食にする。





十二ヶ岳を12時半過ぎに出発。実はこの山頂直下が本コース一番の難所。
体感で70〜80度、かなりの落差の傾斜をロープ2本を頼りに滑り降りる。

足元が見えないような断崖を下りなければならないので、恐怖感は毛無山側の断崖を上回る。
毛無山側と違い、こちらは斜面に身体を預け難いので、ロープを使わないと危険。
幸い、岩場の足掛かりは良いので、慎重にじっくりと足場を探せば大丈夫。
上るときはハイになって勢いで乗り切ったものの、この下りで足が竦んだ人は少なくないはず。




断崖を下りて、ハシゴを上り返した後は、穏やかな樹林歩きが始まる。
これまでと打って変った緩やかさなので、とても1つのコース上にあるとは思えない。

断崖から20分ほどで金山という緩やかな草原のピークに出る。
このピーク自体は展望も無く、この先の節刀ヶ岳・鬼ヶ岳への分岐点といった感じ。




▲ 別ウィンドウでパノラマ写真を表示します

金山から節刀ヶ岳に向かう。
大したアップダウンも無く、10分ちょっとで山頂に立つことが出来る。
山頂からの展望もそれなりながら、その少し手前の岩場からの眺めが格別。
十二ヶ岳は湖畔からだと全容を見ることが難しいのだが、ここからならその複雑なコブがよく見える。
これから向かう鬼ヶ岳方面の見晴らしも良好で、コース全体を見渡せる貴重なビューポイントだ。




金山に折り返して、鬼ヶ岳へ。
鬼ヶ岳までは、ここまでの区間に比べてそれほど特徴的なポイントが無い。
山頂直前に若干急登があるぐらいで、あとは細長い樹林帯と、ゴツゴツした岩場を歩くだけ。
コース上で展望は得られないが、20分ほどで鬼ヶ岳に到着するため、良くも悪くも印象が薄い。




鬼ヶ岳山頂。
名前の由来と思われる鬼の角を含め、巨岩で出来た狭い山頂である。
本コース上では、ここに来て初めて南アルプスを広く見渡せるようになる。
富士山、西湖、青木ヶ原樹海、南アルプス方面と正に自然の展望台といった好ポイントだが、
この日は樹海方面がガスに遮られ、到着直後は見えていた南アルプスも一瞬で見えなくなった。
程なくしてこの山域全体が雲に覆われて、富士山までもがほとんど見えなくなる。
少し後に到着した人達は何も見えない状況で、自分はギリギリ景色を堪能出来てラッキーだった。





前回は少しでも距離を長くするため、更に西の鍵掛峠経由で下山したが、
今回はそのまま南の雪頭ヶ岳から下るコースを試してみることにする。
先程、十二ヶ岳から鬼ヶ岳の間に立ち寄った節刀ヶ岳とは、
どちらも同じ"せっとうがたけ"だが、関連性については今のところ不明。
ゴツゴツとした岩場を渡り、綺麗なハシゴを降りればあっと言う間に雪頭ヶ岳に到着する。



雪頭ヶ岳は山頂にある"お花畑"が有名で、1ヶ月ぐらい早ければカタクリの群生が見られたらしい。
今回のタイミングでは残念ながら目立った花は咲いておらず、南側の展望もガスに覆われて皆無。




雪頭ヶ岳からの下山ルートは鍵掛峠と似ていて、山頂直下に急勾配のザレがあり、
あとはブナやスギの樹林帯が湖畔まで続いている。全体的に道は細い。
基本的に展望は無く、終盤のスギ林はやはり鬱蒼とした印象が強い。
鍵掛峠を経由するより30分近くコースタイムを短縮することが出来ることと、
時季が良ければお花畑を楽しめるというメリットがあるものの、
それ以外ではコース上でも西側の展望が得られる鍵掛峠経由の方が、個人的には好みかな。




雪頭ヶ岳から1時間半で西湖北西部の根場民宿バス停に下山完了。
この辺りはバス停が複数あって、富士急行路線バス用が1つ、レトロバス用が1つ、
他に高速バス用もあり、それぞれちょっとずつ離れた位置に設置されている。
高速バス以外は河口湖駅に向かうのでどちらに乗っても問題無いが、
その関係性がネットで下調べする範囲では微妙に分かりづらい。




今回は途中下車して寄りたい温泉があったので、少し後のレトロバスに乗るつもりだったが、
バスがやって来たのは時刻表より30分近く遅れた頃だった。
車内を見ると、これ以上乗れるのか?というぐらいの満員状態で、
自分は何とか乗ることが出来たけど、3つぐらい後の停留所からは乗車出来なくなり、
「20〜30分後に増発便が来ますので…」という有様だった。
往路同様、4年前の同じ便はもっとガラガラだったはずなので、
世界遺産登録の影響で海外からの観光客が増えたことが原因と思われる。
観光客が増えることは素直に良いことなので、富士急行さんには今後の対応を望みたい。


▲単独行最西端 - 毛無山・十二ヶ岳・鬼ヶ岳(2010.10.15)
富士五湖まるごとナビ レトロバス
 





【 登山データ 】

毛無山 1,500m 〜 十二ヶ岳 1,683m 〜 節刀ヶ岳 1,736m 〜 鬼ヶ岳 1,738m 〜
〜 雪頭ヶ岳 1,720m(山梨県 御坂山塊)


コース:毛無山登山口バス停→毛無山→十二ヶ岳→金山→節刀ヶ岳→金山→鬼ヶ岳→雪頭ヶ岳→
→根場民宿バス停

・毛無山登山口〜毛無山
トイレや自動販売機が無く、下山まで給水ポイントも無いので、事前の用意が必須。
全体的に勾配がキツめだが、道が広く均されているので歩き易く、
トレッキングポールとの相性は非常に良い。

・毛無山〜十二ヶ岳
道幅が狭くなり、岩場のアップダウンが連続する。
十一ヶ岳まではそれほど注意すべき箇所は無いが、十一ヶ岳〜十二ヶ岳で豹変。
トレッキングポールが無い方が快適なので、毛無山出発時点での収納をオススメ。

・十二ヶ岳〜節刀ヶ岳〜鬼ヶ岳
十二ヶ岳山頂直下に長く急なロープ場があり、団体客が居ると渋滞する恐れがある。
以降は鬼ヶ岳の山頂手前まで、節刀ヶ岳も含めて緩い勾配の樹林帯歩きが中心となる。
鬼ヶ岳山頂直前は若干の急登だが、十二ヶ岳に比べるとどうというレベルではない。

・鬼ヶ岳〜雪頭ヶ岳〜根場民宿
雪頭ヶ岳までの区間は非常に短く、少し長いハシゴがあるが、特に危険は無い。
雪頭ヶ岳直下は若干急勾配でザレており、気を抜くと滑るので注意したい。

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