▲常春の島で絶景を - 八丈富士 (854.3m)

2017年06月17日 (土) 23:31

今年の社員旅行は、八丈島 に決定。
数年前から候補に挙がりながら、何となくハードルが高そうで最終選考から漏れていたのだが、
調べてみると羽田から1日3便出ているし、ホテルとセットでも1人20,000円ぐらいと案外お手頃。


 

 
昔は"日本のハワイ"とか呼ばれていたりもして、多くの人は南国のイメージがあると思われる八丈島。
実際にダイビングスポットも多いようなんだけど、社員旅行として訪れる場合、マリンスポーツは全員参加が難しく、
そうすると地味な観光スポットや温泉を巡るか、八丈富士・三原山のトレッキングぐらいしか選択肢が無い。

トレッキングは非常に魅力的なんだけど、ただでさえ雨の多い八丈島の、それも梅雨に訪れるため、
全員参加ではなく、一昨年の館山 と同様に有志で早朝に敢行出来れば良いと考えていた。
しかし、直前の予報で何とか降られずに済みそうな天候であることと、
八丈富士が山頂まで非常によく整備された短いコースであることを踏まえ、全員参加のイベントに昇格した。


八丈島には西山と東山の2つの山があり、西山が八丈富士、東山は三原山と呼ばれている。
八丈富士は854m、三原山が701mなので、八丈島の最高地点は八丈富士山頂ということになる。
どちらも火山であり、八丈富士の火山活動は比較的新しく、最近では300年程前に噴火しているとのこと。




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八丈富士トレッキングは2日目の朝。
前日は曇りがちで、山頂にも雲が引っ掛かっていたが、当日はほぼ快晴の山日和となった。


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実は5時に目が覚めて、勢いで八丈島のもう一峰である三原山にもアタックしてきたのだが、
朝食までに戻らなければならないため、残念ながら途中で引き返した。(しかも敢えての廃道)

 

 
 

10時にレンタカーで登山口に到着。
登山口の標高は500mぐらいなので、山頂まで残すところ300m強。
道路沿いに5台ほど、少し奥まった登山口の手前に4台ほどの駐車スペースがあるが、
この時間でほぼ埋まってしまう状態なので注意が必要。
ちなみにすぐ近くに ふれあい牧場 もあるが、営業期間がGWおよび夏季期間のみとのことで、今回はパス。

野生のヤギ除けの柵を潜って、トレッキング開始。
・・・とは言っても、基本的にコンクリで舗装された斜面と階段が火口手前まで続いているので、
登山というよりはハイキングに近い感覚かもしれないが、それでも1,280段というのは相応の覚悟が要る。
最初から傾斜がそれなりにキツく、梅雨時期の晴天という環境のため、
足腰よりも湿度によるバテを対策しておかないと、案外泣きを見ることになるかもしれない。




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観光ガイドの登山マップでは大穴(火口)の縁まで55分となっていたけど、実際には30分も掛からずに到着。
登山用のガイドではなく、あくまで観光ガイドなので、かなり余裕を持たせた時間を記載しているのだろう。

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大穴の縁に到着すると、雄大な展望を存分に味わいながらのお鉢巡りを楽しむことが出来る。
標高800mちょっとと言えども、そこは島の山。標高に見合わぬ絶景に アポイ岳 を思い出した。
時計回りに進むと、奥に三原山を望みながら八丈の街並みを見下ろすこと出来、
そこからグルッと回れば、今度は八丈小島が見えてくる。




お鉢巡りのルート自体はしっかりしているものの、溶岩でゴツゴツしている上に草が生い茂っているため、
注意して歩かないと窪みや出っ張りに足を取られて思わぬ怪我に繋がる危険性がある。
また、火口側は断崖に近い地形なのだが、ロープなどは無く、うっかり転落しないように注意が必要。
でも、こちら側の光景も凄いの一言に尽きる。
下から見上げる分には小さな山頂に見えていたんだけど、実際にはなかなか大きな火口だ。
よく見ると、中央にポツンと小さな池のようなものも見えている。

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のんびり写真を撮りながら、1時間弱でお鉢のスタート地点に戻り、ここからいよいよ火口に下りる。
現在の八丈富士は火山性ガスや蒸気が噴出していないので、火口の内側まで下りることが出来るのだ。




下りて間もなく、浅間神社と中央火口丘への分岐が現れる。
右に曲がれば、浅間神社への参拝道。左に曲がれば、観光ガイドに「悪路」と記された火口丘への道。
火口丘というのは、溶岩ドームが冷えて隆起したものを指すらしい。
地元の樽前山 にも立派な溶岩ドームがあるけど、あれも火口丘と言うのだろうか。



とりあえず、地図で鞍部から10分と書かれている浅間神社に向かう。
登山道や火口外周ほど整備されているわけではないものの、一部区間では木道が敷かれていたり、
参拝道としてそれなりに使われている感じはある。



分岐から5分で浅間神社に到着。古びた鳥居の雰囲気が良い。
古くから丸石奉納が行われているそうで、色とりどりの鮮やかに塗られた丸石が散らばっている。



 

 
 

参拝道を引き返して分岐に戻り、今度は中央火口丘に向かう。
国土地理院の地形図を見ると、小さな2つの崖 (地溝帯と言うらしい) を越えることになるようだ。
お鉢巡りで見下ろしたときに幾筋かの亀裂のようなものが見えていたので、多分あれがその崖なのだろう。
分岐直後は整備された砂利道だが、幾らも経たない内に道の雰囲気が怪しくなり始める。

踏み跡明瞭 → 踏み跡明瞭だが、枝葉を掻き分けて進む → 若干怪しい分岐が2つ3つ →
→ 誤った方に進むと、底が見えない亀裂に遭遇 → 立って歩けないツゲの茂みを中腰で進む → ・・・
といった具合にどんどん悪路っぷりが進行し、最後はもう腰痛が再発しないかどうかの戦いである。
ヤブ漕ぎの経験はほとんど無いので、これはかなりキツかった。
心は在りし日の少年に還っていても、身体は40手前のオッサンなのである。悲しい。





悲鳴を上げながらも何とかジャングルを抜けて、遂に火口丘の池に到着。
これまでの激しい道程が嘘のような静けさで、小さな池は空を映して待っていてくれた。
池の周りは藻が生い茂っていて柔らかく、水際近くはジュブジュブとスポンジのように沈む。
あまり調子に乗って近付くと、靴を濡らすことになるので気を付けた方が良さそうだ。
大穴の縁から見下ろしていたあの池に居るのだと思うと、何とも言えず感慨深い。

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スケジュール的なリミットが近付いていたので、一通り写真に収めて池を後にする。
来た道を戻る以外に選択肢は無く、つまり当然だがあのジャングルを再度抜けなければならない。
しかし、先がどうなっているか分からない状態だった往路に比べれば、
復路は勝手が分かっているだけに精神的な負荷はそれはどでもない。
ひたすら中腰による身体的なダメージと戦うだけだ。(それがキツいんだけど)

やはりヒーヒー言いながら大穴の縁まで帰り着き、あとは気楽に舗装された登山道を下りて駐車場へ。
他のメンバーも回り方はそれぞれだけど、全員無事に登頂は出来たようなので一安心。

 

 
 

下山後は あそこ寿司 という、何とも言えない名前の寿司屋で昼食をとり、
温泉で汗を流したり、残った時間で裏見ヶ滝を観に行ったりして八丈島観光を終了。


天候だけが不安要素だったけど、終わってみれば終始安定した観光日和の2日間。
1,000mに満たないような山であっても、その山の成り立ちや周囲の環境によって、
他では得難い個性的な魅力を持つことを再確認出来た島旅だった。



▲いよいよ北海道登山 - アポイ岳 (2010.05.07) / ▲我が山の原点 - 樽前山 (2005.09.24)
▲房総最西端 - 大山 (2015.06.13)
八丈島観光協会 / 八丈富士牧野・ふれあい牧場 / あそこ寿司 (八丈島観光協会Blog)

 





【 登山データ 】 八丈富士 854.3m (東京都)
コース:登山口 (駐車場)→大穴合流部→お鉢巡り→浅間神社→中央火口丘→大穴合流部→登山口 (駐車場)

・登山口 (駐車場) 〜大穴合流部
登山口は車を停めるスペースがあるだけで、自動販売機やトイレは無い。
一部のシーズンで近くの牧場を利用出来るが、基本的に市街地で調達を済ませておくのが賢明。
合流部手前まで、コンクリで固められた1,280段の階段と斜面が続く。
階段と斜面は並行しているので、脚の疲れ具合に合わせてどちらを歩くか選択すると良いだろう。

・お鉢巡り
硬くて脆い溶岩の上を、ツゲ等の低木や草が覆っている。
道は明瞭ながら、意外と深い亀裂が草木に隠れていたりするため、景色に見とれて足元を疎かにしていると、
思わぬ大怪我に繋がる危険がある。
大穴に向けては断崖絶壁と呼べる区間もあるが、ロープ等は基本的に張られていないため、
特に風が強い時には要注意。崖から転落すると、まず助からない高さだと思われる。

・浅間神社への参拝道、中央火口丘への悪路
参拝路は木道が敷かれていたり、比較的整備されていて特別危険な箇所は無い。
火口丘への悪路は文字通りの"悪路"で、進むにつれてまともな歩行が困難になっていく上、
道迷いに繋がり易い分岐らしきものが幾つかあり、下手に迷うと深い亀裂に転落する危険がある。

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