▲アブと湿度の百名山 - 武尊山 (2,158m)

2019年08月18日 (日) 23:04

GW明けの伊豆ヶ岳 以降、他のイベントや天気と噛み合わずに気が付けば4ヶ月が過ぎてしまった。
このままではマズいと思い立ち、何とかスケジュールを調整。当初は山梨の雁ヶ腹擦山か牛ノ奥雁ヶ腹擦山に登るつもりだったんだけど、この暑さで長い林道歩きはシンドいので、少しでも涼しい群馬方面の武尊山に切り替えた。


 


午前3時に自宅を出発して、練馬ICからひたすら関越道を北上。沼田ICで下り、30分弱走る。この辺りはスキー場や温泉もあるため、道路が広く綺麗で、それほど山道を走るような感覚ではなかった。
到着した川場キャンプ場駐車場は150台収容出来る広さなのだが、この駐車場はあまり利用されていないらしく、到着した5時半時点では自分の他に1台しか停まっていない。また、「川場キャンプ場駐車場」という名称はGoogleマップの記載を参照しているが、検索すると「川場スキー場第4駐車場」という表記も出て来る。

 


車中で着替えを済ませて、6時少し前に登山開始。今回使うのは高手新道というコース。
地図には登山口が分かりづらいと記載されているものの、ゲートが閉じた林道から入るだけなので、特に分かりづらいということは無かった。ゲート脇には登山届ポストも設置されている。



 
ゲートを越えて、舗装された林道を上る。
出発時点の天候は曇り。前日時点では快晴の予報で期待して来たのだが、どうも昨晩から未明に掛けてそこそこの降水があったらしく、地面が濡れている。気温は22度ぐらいなのに、とにかく湿度が高くて蒸している。


 
ゲートから5分ちょっとで、バンガローっぽいものが何棟か置かれたキャンプ場跡地に到着。一応受付らしきものやトイレもあるが、廃業しているらしく、現在は機能していない。

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キャンプ場を抜けると、武尊山への案内板が現れる。距離は普通だが、目的地との標高差と往復した際の消費カロリーが書かれているのは面白い。
そのまま進むと舗装路が終わり、高手山に向けてつづら折りの緩やかな上りが始まる。高手新道は利用者が比較的少ないコースらしいのだが、整備状況は非常に良い。道に掛かる枝葉等は綺麗に刈り払われていて、とても歩き易かった。どうやらトレイルランの大会コースになっているようだ。



 
つづら折りの後は、あまり特徴の無い緩やかな上りが続く。今回はとにかく湿度がヤバいと思っていたが、実はアブという伏兵が一番の難敵。とにかく終始付き纏い、服の上からでもお構いなしに刺してくる。歩いていてもそうなので、当然、立ち止まったりしようものなら大変なことに・・・
水を飲んだり息を整えたりする余裕も与えてもらえず、逃げるようにひたすら上り続けるしか無かった。一応、ハッカスプレーを散布してみたりもしていたのだが、お食事タイムで血気盛んなアブにどれほど効果があったのかは不明。


 
キャンプ場跡地から20分、6時半に高手山を通過。標高は1373.9m。
展望を含めたピークっぽさは皆無で、案内板と石造りの小さな祠があるのみ。
指導標からは消費カロリーが消えたが、目的地までの標高差は残っている。中々面白い試みだと思ったのだが、残念ながら標高差が記されているのもここまで。この先の指導標は、一般的な距離のみの記載に戻ってしまう。(剣ヶ峰山だけ復活)


 


引き続き、アブに追われながら進む。未明までの雨で泥濘化している箇所が多く、避け切れないので靴がドロドロになる。道の脇に生えた笹からの雨垂れも多く、ゲイターが無かったら悲惨なことになっていただろう。時折ベンチや豆知識的な看板が登場するのだが、多くは朽ちていて用を為していなかった。


 
登山道は引き続き展望が無いながらも、所々で東向きのビューポイントが出て来るようになる。しかし、このコースが川場スキー場のゲレンデに沿っているため、リフトの鉄塔が顔を出し、何の為に苦労して登山道を歩いているんだろう?と気力を削いでくる。仕方無いけど、これは本コース最大のガッカリポイントである。



 
高手山から1時間弱進んだ頃、ようやくアブの歓迎から解放されて一息つくことが出来た。
次に目指す剣ヶ峰山の西峰が近付くと、徐々に尾根っぽい道に変化し始める。雲が切れ始めて青空が覗くようになったのと引き換えに、日差しによる暑さが体力を奪う。



 
若干の急登を経て、8時に西峰。標高1870.5m。
更に先の剣ヶ峰山だけでなく、西側の鬼岩や獅子ヶ鼻山も見渡せる待望の展望スポットだ。剣ヶ峰山はドーム型の台地の上にひょっこり尖った独特な形をしている。

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西峰から剣ヶ峰山へは気持ちの良い稜線歩きだが、アップダウンはそれなりに多く、この暑さと湿度ではなかなか骨が折れる。
ただ、半分ぐらい進んだ辺りで遂にリフトの最高地点を迎えるので、ここからがようやく本当の山歩きと言った気分を味わえる。背の高い樹木も無くなるので、展望も良い。

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剣ヶ峰山の手前はそこそこの急登。長くはないので何とかなるが、所々にぬかるむ箇所があるので、特に下りでは気を付けたい。



 
9時、剣ヶ峰山到着。別名「西武尊」。標高2,020m。
左右が切れ落ちた尖峰で、山頂はベンチも置けないほど狭い。眼前に聳える武尊山はさすが百名山といった感じで、夏山の濃い緑が清々しい。
ちなみに高手新道より東側の川場野営場からアクセスするコース上にも「剣ヶ峰」があるが、そちらには最後に「山」が付かないという違いがある。

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山頂直前の上りがそうだったように、武尊山に向けての下りもまた、初めに急な下りが待っている。こちらは短いながらも数少ない急な岩場なので、特に濡れているコンディションでは慎重を期したい。



 
尖峰からの短く急な下りを終えると、北西の武尊神社方面への分岐を挟み、いよいよ武尊山への上り返しが始まる。



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最後の上りは見た目通りの急登だが、こちらはガレ場とザレ場のコンビネーションに加え、濡れた木の根が滑り易い嫌らしい区間だ。恐らく本コース最長の急登区間だが、それでも延々と上り続けるような長さではないので、これが最後だと思って頑張るしか無い。
山頂直前で先に書いた川場野営場からのコースと合流する形となっていて、先にある中ノ岳との鞍部には三ツ池という窪地池が見えている。



 


10時半手前、ようやく武尊山山頂に到着。こちらの別名は「沖武尊」。
山頂は比較的広く、そこそこの人数でも大丈夫そうだが、ベンチ的なものは短い丸太が1本横たわっているのみ。

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急登が始まる時点で雲に覆われ始めていたので期待はしていなかったが、山頂に到着しても雲は抜けず、残念ながら展望はほとんど得られず。1人だけ居た先客も少し待っていたが、程無くして諦めて下山していった。少しでも雲が切れることを願いつつ、腰を下ろして昼食にする。

 


山頂には30分程留まってみたが、一瞬雲が薄くなるタイミングがあったのみで、山域全体をすっきり見渡せるチャンスは訪れなかった。残念なのは確かだが、手前の剣ヶ峰山でしっかり展望を得ることが出来ていたので、手ぶらで帰る程のガッカリさは無い。
帰りの道程もピストンでそれなりに長いため、変に気を落とさず、気を引き締めて下山を開始する。何せ、山頂直下はいきなり緊張感のあるザレ&ガレ場だ。


 
山頂から一気に下り、今度は剣ヶ峰山に上り返す。往路よりも消耗している分、この急登が思いの外シンドい。
そう言えば、武尊山側から見る剣ヶ峰山は、どことなく赤岳の稜線を彷彿とさせる。


 
剣ヶ峰山以降もダラダラとアップダウンを繰り返しながら帰るだけなのだが、復路ではアブに襲われなかったことだけが唯一にして大きな相違点だった。アブは日の出直後と日没直前の2〜3時間がお食事タイムらしく、日中はほとんど襲って来ない。
高手山の前後はアブを払うのに必死でコース自体の記憶がほとんど無かったりしたので、ピストンなのに初めて歩くような変な感覚だった。



 


14時半に川場キャンプ場駐車場に帰着。出発時は1台だったけど、このタイミングでは5台に増えていた。
また、夏営業しているスキー場でイベントが催されていたらしいのだが、自分が下山するより幾分早く終わっていたようで、上から最後の数台が下りて来ていた。どれぐらい参加者が居たイベントか分からないけど、こちらが帰るドンピシャのタイミングじゃなくて良かった。

マイカーに集るアブやハチを追い払い、何とか乗り込んで着替えを完了。
沼田ICからここまでの間に立ち寄れそうな温泉が幾つかあり、寄っていこうか悩んだのだが、渋滞が気になって真っ直ぐ帰ることにした。関越道は高坂SA付近で20km強、約50分の渋滞。完全に停車することが2〜3回あったぐらいで、そこまで酷い有様に遭わずに東京まで戻ることが出来た。
結果的には、15時に現地発で18時半に帰宅。お盆最終日で多少はUターンラッシュが残っていたことを考えると、比較的スムーズに帰れたかな。


 
当初の予報より展望が得られず、とにかく湿度とアブに付き纏われてしまったが、何とか4ヶ月振りの山行を無事に終えることが出来た。あまり狙ってはいないものの、久々に新たな百名山に登ることも出来たし、トータルとしてはそれなりに満足。
次は1ヶ月後に苗場山での泊まり山行を予定しているので、体調を整えて楽しみに待ちたい。



▲下りは長いが好バランス - 伊豆ヶ岳 (2019.05.11)

 


※ GPSが死んでいたため、トラックデータは西峰手前辺りから


【 登山データ 】 武尊山 2,158m (群馬県 独立峰)

コース:川場キャンプ場駐車場→キャンプ場跡地→高手山→西峰→剣ヶ峰山→武尊山 (ピストン)

・川場キャンプ場駐車場〜高手山
駐車場は広いが、トイレは売店といった施設は無い。
キャンプ場跡地までは舗装された林道。今は使われていないためゲートが閉じているものの、林道自体は綺麗。キャンプ場跡地にあるトイレは、現在使用不可とのこと。
キャンプ場跡地から僅かな舗装路を過ぎて、つづら折りの緩やかな登山道が始まる。広い道ではないけど、整備されているので歩き易い。
つづら折りが終わってからも大きな変化は無いが、雨の後は泥濘が多くなる。また、展望は皆無。
コース中にそこそこのベンチ・テーブルが設置されているが、大半は朽ちていて利用が難しい。

・高手山〜西峰
高手山以降も基本的に同じながら、時折東側への展望ポイントが出現するようになる。・・・と同時に、並行するスキー場のゲレンデも見えるようになる。
西峰が近付くと、少しずつ尾根っぽい雰囲気に変化すると共に、これまでよりも若干アップダウンが強めになる。
西峰山頂には朽ちていないベンチ・テーブルあり。

・西峰〜剣ヶ峰山
尾根道がメインとなり、アップダウンも本格的になる。剣ヶ峰山や武尊山の山容を眺めながら歩ける展望コース。
剣ヶ峰山直前は急坂が何度か続くが、特に危険な箇所は無い。体力的に問題が無ければサクサク進めるだろう。
剣ヶ峰山山頂は大パノラマを堪能出来るが、かなり狭く、数人で溢れてしまう。

・剣ヶ峰山〜武尊山
稜線上のアップダウンを何度か経て、最後に長いガレ&ザレ場の急登。細かい木の根も張り出している箇所もあるため、足元が濡れている場合には滑り易いので要注意。
武尊山山頂はかなり広く、ベンチは無いながらも過ごし易い。勿論、晴れていれば素晴らしい展望を堪能出来る・・・はず。

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