▲滑り込み山小屋泊 - 蛭ヶ岳 (1,673m)

2008年11月04日 (火) 21:00



今年は新島キャンプ富士登山があったので、山小屋泊の登山は出来ないと諦めていたのだけど、
仲間内で急遽スケジュールの調整が付いたため、近場の山を探すことに。
 

とは言え、我々の平均的な登山体力を踏まえた上で、
比較的安価に電車で行けて眺望が良い山というのも、実際そう多くはない。
去年は東京都最高峰の奥多摩『雲取山(2,017m)』に登っているので、
今回は神奈川県の丹沢山系最高峰『蛭ヶ岳(1,673m)』を中心に縦走プランを組むことにする。
蛭ヶ岳の1,673mは標高としてはあまり高くないのだけど、出発地点からの標高差が1,200mあり、
これは富士山の河口湖口5合目から登った場合の1,400mに匹敵する。(高山病の恐れは無いが)

当初は5人で行く予定だったのだが、直前で2人都合が付かなくなり、
延期の目処が立たないため、最終的に3人の行軍となった。



当日の天候は晴れ。
雲はそれなりにあるものの、空全体を覆うような感じではなく、
表情があって写真栄えする絶好の行楽日和。

7時前の新宿発小田急線に乗り、渋沢駅でバスに乗り換え。終点の大倉まで15分。
丹沢山系の山は登山口までのアクセスが容易なので有り難い。
今年は先月先々月と、この丹沢の玄関とも言える『塔ノ岳(1,491m)』に登っているのだけど、
今回はその塔ノ岳を皮切りに、そこから更に奥の『丹沢山』『蛭ヶ岳』へと北上するコース。
いつもは別ルートから塔ノ岳に登り、下山用に使っているルートを、今回は登りで使う。
下山時に「これが登りだったらキツいだろうな…」と思っていたのに、まんまと登ることになってしまった。



最初の塔ノ岳までの道程が一番長い3時間。ここで昼になったので山頂で昼食。
塔ノ岳以降は展望の良い尾根道が続き、ずっと富士山を眺めながらの行軍。

雲の流れは速いものの、雨の心配は無いので、あとは単純に日没までの時間との戦い。
蛭ヶ岳直前の尾根道は急なガレ場・鎖場が多く、暗くなってからでは危ない。
我々はちょこちょこと写真を撮り進むために行軍速度が遅いので、
そこそこ急がないと途中で日が暮れてしまう。
そんなこんなで微妙に慌てつつ、蛭ヶ岳山荘に到着したのは16時25分だった。

受付を済ませ、自分達のスペースに荷物を置く。
この日の山荘は超満員で、70人の定員に対して80人近くの人が宿泊していたらしい。
1人辺りの就寝スペースは、畳1畳分も無い。

日没が近かったので、休憩もほどほどに外に出る。
小屋に向かう時から思っていたのだが、どうも夕日が富士山の頂上に沈んでいくような印象。
どうやらその日は夕日が丁度富士山頂に沈む「ダイヤモンド富士」と呼ばれる日であるらしく、
それが定員オーバーという混雑振りの原因のようだった。
この日は雲の多さが災いして、「ダイヤモンド」に相応しい光彩は拝めなかったのだが、
全く事前情報を仕入れていなかった我々にとっては、富士山頂に夕日が沈むというだけでも、
長旅の疲れを癒す十分なサプライズと言えた。
ちなみに「ダイヤモンド富士」を見られるのは「朝日」と「夕日」の年2回だけであり、
しかもそれが連休に重なるというのは貴重なタイミングだったようだ。感謝。



去年の雲取山では夕飯も自炊したけど、今回は山小屋食のおでん。
夜の気温は5度ぐらいまで冷え込むので、暖かいものが身体に染みる。

夕食を済ませて外に出ると、東側一面に見事な夜景。
横須賀・横浜に東京の夜景まで見えているらしい。
山小屋のご主人曰く「今日の夜景は素晴らしい」とのこと。
お湯を沸かしてコーヒーを淹れ、ウィスキーを加えて、
夜景を眺めつつアイリッシュコーヒーを堪能。

20時に消灯で就寝。山小屋の夜は早い。
混雑のため、今までの山小屋に比べると環境は微妙だけど、
疲れ切っていると、もう寝られるだけで最高。
ストーブによる乾燥をマスクで、鼾を耳栓でシャットアウトして快眠。




4時45分に起床。
5時から先頭で朝食を摂り、完全防寒状態で陽が昇る前の外に出る。
この日はここ数日に比べるとかなり暖かい朝だったらしいけど、
それでもかなり寒いので、他の人達は日の出直前に観に来るようだ。
自分は個人的に日の出より少し早い、まだ薄暗い時間の空が一番好きで、
刻一刻と変化していく様を、静かにじっと見ているのがいいのである。

この日はずっと雲が厚く、朝焼けが見えたのはほんの2〜3分。
俺はずっと外に居たため、運良くその一瞬を見ることが出来た。
天候の都合、朝日を観るのはほとんど諦めていたので、
一瞬でも見えたのは本当にラッキーだった。

6時半に山頂を出発。
今日はここから更に北上して、相模原方面に抜ける。
一応、幾つかの山を縦走する形ではあるが、基本的にはほぼ下り一辺倒となる。
相変わらず雲は多いものの、富士山などは綺麗に見渡すことが出来て快適。
特に長居するような場所も無いので、休憩は最低限に留めてひたすら下山。
行軍の途中、牡鹿と雌鹿がそれぞれ1匹ずつ、目の前を駆け抜けていった。
この辺りでは最近、鹿が増え過ぎて対策に追われているらしいのだが、
こんなあっさりと遭遇するぐらいなので、確かに相当な数が生息しているのかもしれない。

当初の予定より1時間近く早い11時半に無事下山。
バスの時間までかなりあったので、途中までタクシーで移動してバスに乗り継ぎ、
13時前には橋本駅に到着。
駅ビルで昼食を摂ってから、徒歩圏内の温泉施設でお湯に浸かり、16時で解散。

2日を通して雨の心配が一切無く、意図せず「ダイヤモンド富士」に出会えたり、
夜景もしっかり見ることが出来て満足の山行だった。
紅葉は始まっているものの、本格的な見頃はあと1〜2週先ぐらいと思われる。

ちなみに、これで一昨年から続く一泊系登山に関しては、
富士山・富士山・八ヶ岳・雲取山・富士山・蛭ヶ岳と、
一滴の雨にも遭わずで無傷の快晴6連勝。(若干の曇りも今回の1回のみ)
こういうのは運の問題なので、必ずいつかはストップするのだけど、
天候の変化が激しい企画としては非常に恵まれていると言っていいだろう。

本年度の山企画もいよいよ終盤。
今月中にあと一度だけ軽めの山に登り、年内は登り納めとする予定。
長年連れ添った登山靴もそろそろガタが来ているし、
次で1つの区切りになるんじゃないかと思っている。


【 登山データ 】
塔ノ岳 1,491m、丹沢山 1,567m、蛭ヶ岳 1,673m、黍殻山 1,273m、焼山 1,060m (神奈川県・丹沢山系)

コース:
●1日目 渋沢駅→大倉バス停→塔ノ岳→丹沢山→不動ノ峰→棚沢ノ頭→鬼ヶ岩ノ頭→蛭ヶ岳
●2日目 蛭ヶ岳→姫次→八丁坂ノ頭→黍殻山→焼山→焼山登山口→三ヶ木→橋本駅

コース長:【1日目】12.0km 【2日目】11.0km

塔ノ岳まで「バカ尾根」と呼ばれる上りが延々と続く。
ガレ場・鎖場がある。楽しいが、初心者にはそこそこキツい。
尾根道が多く、全体を通して展望は良さげ。常に富士山が見える。
復路は山小屋が一切無いため、水等の補充は蛭ヶ岳で済ませる必要あり。
蛭ヶ岳山荘は素泊まり5,000円、1泊2食付で7,000円。
5〜10月はヤマビルに注意が必要。

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